009:社畜、真実を知る
世界が改変できたら普通はどうします?
チートで無双? ハーレム生活? 大金無双!
ここにいるのはリアルを知っちゃった社畜
今日もまた佐藤匠海による、自身の心の絶対的平穏を勝ち取るための戦いが始まる
この日は実に平和だった。
よく分からない現象で復活してしまったスマホの電源を切っていたのが一番良かったのかもしれない。
もしかしたらあれは壊れたと思わせる何らかのトリックだったのではないかと思えてきた。
もしくは俺も山南と同じくどこかキレちまったのかだ。
今日のタスクも理不尽なものはなく、頑張れば20時位に帰れるかもしれない程々の感じ。
なんていい日だろうか。
だが、異変は着実に近づく……。
◇
平和を破ったのは俺のスマホ。
鈍い振動音と共に再起動する。
……これはもう慣れた。
無視するに限る、余裕があったら電源落としてやるから待ってろ。
そして例のあいつから半日ぶりのメッセージが届いた。
「山南:やっほー。やっと上司の許可おりたぜ」
お前はサラリーマンか。
思わず心の中でツッコミを入れてしまった。
そもそも何の許可取ってたっていうんだこいつ。
「山南:だって許可なしで教えたらまずいからな」
だから何の話だ?
「山南:佐藤匠海は勘がいいから気づいてたかもだけど。キミのいる世界はアバター世界なんだよ。」
アバター世界?何だそりゃ。
この世はシミュレーターとでも言うのか?こいつは。
「山南:気づいてたんだろう?キミがそこから消えたら別の誰かに変わること。転生とか言ってたじゃん。」
それはアニメの見過ぎだ。
確かに嫌いではない、いや好きなジャンルではあるな。
「山南:佐藤匠海の生きている世界は星ごとまるごとシミュレーターとして作られたものなんだよ。」
シミュレーター仮説っていうやつか……。
「山南:そうそう。仮説じゃなくて真実だけどね。」
真実ときた。
「山南:僕はこのシミュレーターの管理者の一人だよ。だからずっと色々な人を見ていた。その中でも一番面白かったし僕に似ていたのがキミ、佐藤匠海というわけ。」
勝手な話だな。
こんな話を聞いても特にショックを受けないあたり、俺もだいぶどうにかなってるな。こりゃ。
「山南:だからキミは選ばれたんだ。佐藤匠海。」
選ばれたんだ?何に。
「山南:分かってるんだろう?キミは世界の内側の管理者だよ。この世の全てがキミのものだぜ。」
意味が分からん、そもそも内側の管理者って何だ?
「山南:外側は僕達システム管理者が維持管理してる。傍観者と言ってもいい。でもね外側の管理者は神様みたいなものなんだよ。力が強すぎるから手を出したら全体に影響が出てしまう。」
ほぅ。なかなかに筋が通っている……確かにシステム管理者ってのは何でもできちまうからな……。
「山南:内側の管理者は自分の周りに影響を与えることができる。もちろんその気になれば世界全体にも影響できるよ。」
ほぅ。こいつらはマクロじゃなくてミクロな改変をお望みか…それなら試してみてもいいかもしれないな……。
次回、やっと改変が始まりますよ。




