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社畜のパッチ生活 ―管理者権限で平和を守ります(※ただし自分の)  作者: 真坂野琉実


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041:社畜、解析を始める

世界が改変できたら普通はどうします?

チートで無双? ハーレム生活? 大金無双!

ここにいるのは当たりを付ける社畜

今日もまた佐藤匠海による、自身の心の絶対的平穏を勝ち取るための戦いが始まる


さて……承諾はしたものの、どうするか……。

承諾というか、押し切られたな。

……筋肉と知性が揃ったら負けが確定だ。それは仕方ないと諦めよう。

「藤原さん。会議室に運んでもらっていいですか?あそこにポートがありますので」

まだサーバーを担いだままの藤原補佐に俺は言った。

「いいともっ!存分にやり給え!会議室は今週佐藤くんの貸し切りとしよう!」

おっと、こちらから言う前に環境を整えてくれた。さすがはシゴデキの人。

「ありがとうございます。頑張ります。」

「はっはっはっ!私たちで備品チェックは終わらせておくからなっ!」

ちょうどそこに出社した横井が空気を察して嫌な顔をする。

「おはようございます」

それでも挨拶する辺り真面目というか……。

◇

藤原補佐にサーバーとカメラを会議室に運んで貰った俺はセッティングを実施する。

もちろん会議室の扉を閉めるのは忘れない……筋肉が感染ったら困るからな。

扉を閉めると同時に高橋が出社して、早速藤原補佐に捕まっているのが聞こえた。

「藤原さんっ!今日もキレてますねー」

「そうだろうそうだろう。昨日タンパク質を抑えてアミノ酸を多く摂るように心がけたからなっ!」

……ちょっと待て……高橋が筋肉に侵食されてないか?

聞かなかったことにしよう……俺はあちら側にはいかん。絶対にだ。

固く心に誓いながらセッティングを続ける。

特にマニュアルがあるわけではないが、まぁこういう物はだいたいどれも同じだ。

念のため型番からマニュアルを探して確認したが、知っている手順で間違いなかった。

ケーブルを探すのに時間がかかったが、大体30分ほどで大まかなセッティングはできた。

……電源を入れてみる。

暫く待つと初期画面が表示される。

……前に見たことのある画面だ。学生時代にバイトで少しだけ手伝ったことがある。

あの時のやり方が通れば、デバッグモードにいけるはずだ……。

メンテナンスポートに自前のノートPCを繋ぎ、ターミナルエミュレータを立ち上げる。

コマンドラインからデバッグモードコマンドを叩き込んだ。

すると画面に文字が表示される。

……Password?

おや?こんな挙動は見たことがない。

流石に製品版ではデバッグモード塞いだのか……。

その時、机に置いておいたスマホが振動した。山南もどきだ。

「それってバックドアってやつ?マニアックなことやるね」

俺はこの開発やってたんだ。じゃなきゃ普通はしらんって。

「パスワード知ってるの?」

……知らん、昔はなかった。多分これは製品版にする時に入口潰すのが面倒だったからパスワード処理したんだろうな。

「そうだよね。僕も工数減らしたいもん」

全くだ。こいつと意見が合うことはあまりないが、工数を減らしたいということについては同意できる。

「……で、どうするの?」

まぁ……色々試してみるさ。

「ふーん……まぁいいか。頑張ってね」

何か言いたそうだが……まぁいいか……。

……俺は果てのないパスワード解析という名の総当たり戦を始めるのだった。


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