032:社畜、物証を見つける
世界が改変できたら普通はどうします?
チートで無双? ハーレム生活? 大金無双!
ここにいるのは調査する社畜
今日もまた佐藤匠海による、自身の心の絶対的平穏を勝ち取るための戦いが始まる
「そしたら高橋と横井で備品チェックよろしく頼む。俺は峯本さんに指示された件をやるから。」
「分かりました。」
「へーい。」
とりあえず2人に作業を指示する。
上司がいなくなった今、この職場での責任者は自動的に俺だ。
……帰っていいかな……いやダメだよな。
さて、警備室行ってもう一度防犯カメラを確認するか。
◇
朝いた警備員に顛末を説明する。
「……そういうわけで、事務所のフロアの防犯カメラを確認するので、エラーとかが出るかもしれないです。」
「分かりました。先程の女性の方からは協力するように言われていますので、御自由にどうぞ。」
「助かります。では失礼します。」
警備員は結構協力的だった。
峯本さんが手を回していたようだが、そんな暇あったのかね?
……やり手ってやつかな。
とりあえず戻って防犯カメラの状況を確認してみよう。
でも管理者アプリで見てみたらサーバー側が見れたりして。
……いや、あのアプリがそこまで便利に作られてるとは思えないな。むしろこちらに制限をかけてくるムーブだしな。期待するのはやめよう。
◇
「次はCE-003、派遣用のノートPC」
「これかな。……あったっすよ。」
事務所に戻ると高橋を使って横井が備品チェックを行っていた。
横井の方が年下だよな、どう見ても指示してるの横井なんだが……。
まぁ、それで作業が進むなら何でもいいか。むしろお前が責任者やってくれ。俺は降りる。
俺はとりあえず防犯カメラが物理でどうなってるか見てみるか。
脚立で届くかな?
俺は脚立を持ち出して防犯カメラのカバーを外してみた。
インジケーターを見る限りでは電源は来てるっぽいな。Connectのランプが付いてないから繋がってはいないのか。
やっぱり警備室の端末で確認した状態そのままだな。
どこかでLANが物理的に切れてるとしか考えられない。
……そうなるとちょっと面倒なんだけどな。
「佐藤さん。何か分かりましたか?」
横井が声をかけてきた。
「あ、横井。ポートハブ分かるか?」
「会議室の奥の部屋のやつですか?」
「それそれ。悪いけどちょっと見てくれないかな。」
「分かりました。」
横井が会議室の奥へと向かい、しばらくして戻ってきた。
「カメラって札が付いているポート、カメラ側が死んでますね。ランプ点いてないから。」
あれ?ポートハブって施錠されてなかったっけ?
「横井。鍵は?」
「鍵なんかかかってなかったですよ。あと扉の中に眼鏡が置いてありました。……これ多分小山課長代理のだと思います。掛けてるの見たことあるので。」
小山の眼鏡?何でそんなとこに?
ケーブルに細工したのがあいつだとして、理由が分からん。
それに……そんな分かりやすいことするかね?あいつ。
「そういや朝、小山課長代理が眼鏡どこやったかなとか言ってましたね。」
「置き忘れということか?」
「……年取ると忘れっぽいとは言いますけど。」
横井も違和感を感じてるようだ。
「昨日、俺が帰るときは珍しく残ってたしな。」
いつもいの一番で帰るやつが残ってるから珍しいとは思っていた。
「昨日、小山課長代理が夕方会議室に入って行くの見ましたよ。」
……はい。目撃証言いただきました。これは報告案件ですわ。




