028:社畜、警備室に行く
世界が改変できたら普通はどうします?
チートで無双? ハーレム生活? 大金無双!
ここにいるのはフラグを回収する社畜
今日もまた佐藤匠海による、自身の心の絶対的平穏を勝ち取るための戦いが始まる
俺達が峯本さんから事情聴取を受けていると外が騒がしくなった。
「おはよーございます。サーセン。遅刻しました〜。」
あれは高橋だな。
この騒ぎですっかり忘れていたが、あいつ今日から出社だったな……。
「峯本さん。ちょっと失礼します。高橋が今日出社だったので。」
「あ、高橋さん復帰されたんですね。早かったですね。」
「復帰早々遅刻する図太いやつなんで、大丈夫ですよ。……ではちょっと失礼。」
俺は会議室のドアを開けて様子を見る。
いつもなら上司ヅラした奴が顔を真っ赤にしてガミガミ言うはずである。
しかし、そこで展開されていたのは思わず背筋も凍るやり取りだった。
「高橋くん。大丈夫かね、起きるのがきついくらいなら今日まで休暇でも良かったんだよ?」
「い……いやぁもう大丈夫っすよ……。」
あの高橋もタジタジである。
さすがに見ていられなくなり、俺はそっとドアを閉めた。
「正直気持ち悪いですね。普段なら怒鳴り散らすのに……。」
「そうなんですか?」
「いつもは一時間くらい怒鳴り散らしてますよ。そういうの好きだから、小山課長代理。」
「大変ですね……。」
「全くです。」
横井はたまには空気を読んでやれ、本人はバレないように必死なんだから。
「佐藤さん、防犯カメラの確認を一緒に行っていただいていいですか?」
峯本さんは冷静に話を進めていく。
「あ、承知しました。警備室ですかね。」
「そうです。先程一報を入れておきましたので。」
峯本さんできる人だな、話が早い……。
俺と峯本さんは警備室に向かった。
◇
「お疲れさまです。先ほど連絡した峯本ですが。」
「あ、伺ってます。カメラの件ですね。」
警備員が警備室の扉を開け、俺達を招き入れた。
「昨日の夕方からの映像を確認したいのですが。」
「はい、昨日の夕方ですね。ちょっと待ってください。」
警備員は端末を操作しだした。
「これでどういう状況だったか分かります。」
峯本さんが微笑みながら言う。
しかし、警備員は端末を操作しながらしきりに首を振っている……。
どういう状況だ?監視カメラの映像は3時間区切りで保存されてるだけだろ?あとストリーミングがあるだけのはず。……言わないけどさ。
「あれ?……そんなはずは……。」
だんだん警備員の声が大きくなる。
「どうしました?システム関係なら私、詳しいですが。」
思わず声をかける。
俺の問いかけに、警備員から返ってきたのは思いがけない言葉だった。
「データが全部消えているんです……。」
……マジか。いくらなんでもフラグの回収早すぎませんかね?
普通はフラグの回収ってもっと先だと思うの……。
それはともかく今週の更新はここまでです。
月曜日をお楽しみに。




