014:社畜、仕様にツッコむ
世界が改変できたら普通はどうします?
チートで無双? ハーレム生活? 大金無双!
ここにいるのは静かに爪を研ぐ社畜
今日もまた佐藤匠海による、自身の心の絶対的平穏を勝ち取るための戦いが始まる
痛い目と言ってもな〜。山南の記録見る限りは下手な書類抜けとかしたりしてもこっちのせいにされるよな。
大体全部ぶん投げといて文句だけ言うパターンだろ?
うーん……どうしたものかな……。
山南のおかげで書類は完璧に揃えられる。
だとしたら上司の知識面とかそういうとこかな。
「山南:管理者アプリ忘れてないか?」
相変わらず山南のアカウント名で、外の奴が話しかけて来る。
忘れてはいないが、それに頼るのは最後の手段にしたい。
……そもそも上司ハメる使い方が思いつかないしな。
大体こういうのは自分でやるから楽しいんじゃないか。
それはともかく知識か……あいつがどこまで知ってるかすら分からないからな。
そもそも興味ないから業務の話以外をまともにしたことすらない……はずだ。
「山南:管理者アプリでステータス見ればいいよ」
なるほど、そういう使い方もありか。
早速スマホで管理者アプリを立ち上げる。
オブジェクトを選択して……っていうかあいつなんて名前だっけ?課長が入院してる隙に調子乗ってる奴なんて、いちいち覚えてられんわ。
……そもそもObject.Humanは俺と高橋と横井の3個しかありませんが。
「山南:近くにいないと表示されないよ。今の有効半径5mだし。」
おっと、そんな話は聞いてないぞ。
有効半径5mで3人ってことはこのビル内に3人しかいないってことじゃないか?
ミクロな改変を望んでるのはなんとなく理解していたが、これほどまでにミクロとは……欠陥品じゃないのか?
「山南:仕様だから諦めて。有効半径5mだから、離れた階に誰かいる可能性はあるよ。まぁ佐藤匠海から見える範囲では3人じゃないかな。キミも含めて。」
仕様と来た。大体そんなに狭かったら使いにくくて仕方ないじゃないか。
「山南:あれ?言ってなかったっけ?管理者レベルは1だから範囲制限が一番キツくなってるんだよ。」
管理者レベルの話は聞いてたが、有効半径がここまで狭いとは……。
で、どうやったらそれは上がるんだ?課金か?貢物か?
「山南:管理者レベルは経験値で上がるよ。」
経験値……RPGかよ。
「山南:だって佐藤匠海はそういうの好きじゃん。それに最初から全知全能じゃ楽しくないだろ?」
まぁこいつの言っていることは分からなくもない。
だが、そもそも経験値ってどうやって稼ぐんだ?
「山南:管理者アプリの左下にボタンあるだろ?そこにタスクがあるから。それクリアしたら貰えるよ。」
どれどれ……。
俺は左下のボタンを押してみる。
ウインドウが開いて何やら色々表示された。
【デイリー】コンビニ前のカラスの当たり判定修正/報酬:10EXP
【継続】増えすぎた鳩を雀に変える/報酬:5EXP
こんなの完全にソシャゲじゃないか。しかももらえる経験値ゴミだし。
俺をリアルソシャゲにぶち込む気か。
他にも色々タスクはあったが、今は見なかったことにしておく。
気が向いたら休みの日にでもやっつけよう。
そもそもさっきからやたらと管理者アプリ推してたが権限レベルのことすっかり忘れてるだろ。
「山南:ごめんごめん。こちらも色々方針変わってるからな、権限レベルのこと忘れてたんだよ。」
まぁいい。
……管理者アプリが使えないのは分かったし、根本的な問題として奴の知識量がどの程度かを片付けないとな。
他のやつに探りを入れてみるか?それとも山南の報告書をもう一度ちゃんと読んでみるか?
仕方ない、話題作りも兼ねて、気分転換に飯でも買い出しに行くか。遅くなりそうだしな。
最初に考えていたプロットから大幅にはみ出ていっている気がしますね。




