013:社畜、作戦を練る
世界が改変できたら普通はどうします?
チートで無双? ハーレム生活? 大金無双!
ここにいるのは理不尽な指示に怒りを燃やす社畜
今日もまた佐藤匠海による、自身の心の絶対的平穏を勝ち取るための戦いが始まる
自分の席に戻り、一度は座ったのだが、理不尽な業務を押し付けられ、正直はらわたが煮えくりかえる思いだった。
こんな状態で考えてもまともにタスクなんかこなせない。
仕方がないので自販機で缶コーヒーを買い、一気に流し込んで怒りを鎮めた。
普段はブラック派なのに、無意識に選んだのはやけに甘いやつだった……。
しばらくすると、思考がクリアになってくるのを感じた。糖分が効いたらしい。
…さて、どうしたものかな。
そもそも今日のタスクが終わってない。
先にやっつけるのはそっちだな。
そう決めて缶をゴミ箱に投げ入れたら外れた。幸先悪いかもしれない。
……缶も入らなくてケチついたことだし、今日のタスクは優先度下げてしまうことにする。
そもそも今日のは先が見えているから、多少遅くなっても問題はないだろう。
とりあえずうちの部署に関係するISOで監査に関係するものを洗い出すか。
◇
そこからたっぷり1時間使って会社のISOについて調べ上げた。
……承認印は上長が押すこと……か。こんなものは誰が押しても問題ない。証拠だけだろう。
あとは前回のISO監査の報告書的なのがあればいいんだが……。
……本社フォルダにはあると思うんだよな。うちの部署にはそんなのなかったし……。相変わらずカオスだな〜本社のフォルダ。
「山南:やぁ大変だねぇ」
やぁじゃないんだよ。結局こっちに出てくるんじゃないか……。
あ、そうか。前回俺がやってないってことは、多分山南だよな……。
なぁお前山南のフォルダ開けたりしないか?
「山南:開けるよ。何ならそれっぽい書類送ってあげるよ。」
話が早くて助かるわ。本社フォルダはわけわからなくて探す気にもなれなくてな。
「山南:それこそ管理者アプリ使えばいいじゃないか。」
それは俺のポリシーに反する。
「山南:まぁいいか。ほら、多分これじゃないかな。」
ピロン。と軽快な音が鳴り、チャットにファイルが添付されてきた。アーカイブかよ。
「山南:さっさとこんなの片付けてさ、管理者アプリ試してみてよ。」
書類を探してくれたのは感謝するが、それとこれとは別問題だ。
早速アーカイブを解凍して山南の監査に関する報告書に目を通す。
監査中のメモ書きと思われるものと、監査の報告書。
その他必要な書類一式だ。
メモ書きに書いてあるけど、様式が古いっぽいから直さないとマズイな。
よっぽどこのアーカイブの方が分かりやすいわ。
さんきゅー山南。ゆっくり休んでてくれ。
あと、個人フォルダでも愚痴を書くのはやめとこうな。
監査の後で様式違いで相当ぐちぐちやられたらしいが……正直文面が怖い、呪いがこもってそうだ。
とりあえず、山南の遺品を使えば監査は何とかなりそうだ。……迷わず成仏してくれ、山南。
あとはどうやって上司に痛い目を見てもらうかだな。




