表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傭兵王はガハハと笑う 〜え、半裸のろくでなしが伝説の英雄!? 木刀一本で全てをガハハと解決する、笑いと涙の人情無双ファンタジー〜  作者: 益城 茜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
29/49

【第一部完結】金髪の獅子とろくでなしの門出。いざ北方へ!

いつもお楽しみいただきありがとうございます。

皆さんのおかげでどうにか第一部終了しました。

誰かも読んでもらえないかなと思いながら始めたのですが、

思いのほか多くの方に読んでいただけました。

本当に「感謝」です。

この続きも今まで通り投稿いたしますので長いお付き合いお願いします。


月、水、土曜 18時の週3回投稿になります。

月水土曜はガハハの日 お忘れなく。


王都を揺るがした喧騒から数日。


 色街のどん詰まりにあるボロ長屋の一室では、王国とスターレの街を救ったはずの男が、相変わらずの姿を晒していた。


「ガハハ。長屋で横になりながら、昼から一杯やるのが本当に落ち着きやがる。」


ガルハートは布団の上で股を開いて寝転がり、天井のシミを数えながら欠伸をした。その両脇には、まるで主あるじの帰還を待っていた猫のように、リノンとミーナがぴったりと密着している。


「ちょっと、ガル。いつまで寝てるのよ。スターレ家からお呼びがかかっているんでしょ。……それに、あまり動き回らないで。私のシルクの髪が乱れるでしょう?」


 リノンは不機嫌そうな声を出しつつも、ガルハートの逞しい胸板に頭を預け、こっそりとその温もりを独占している。


「いいじゃないのリノちゃん。王国とスターレ家への圧力も無くなったし、ルナールとの貿易でゴールドバーグ商会も相当潤ったでしょ。赤い月亭だって新聞社への独占情報のリークで、ますます信用が高まったって、父さんも母さんも大喜びよ。ガルにはこれくらいの休息は当然よ」


ミーナもまた、ガルハートの太い腕を抱きかかえ、豊満な胸を押し付けるようにしてイチャついている。


「ガハハ! 公爵様の洗濯代、ちゃんと俺あてに請求しとけよリノン」


かつて絶望の底で救われた少女たちが、今は一人の「ろくでなし」を囲んで、王都の平和を謳歌している。


そんな長屋の弛緩しきった空気が、不意に、外からの乱暴なノックで破られた。


「ガルハート殿! カインです! 北方行きの準備、整いましたよ!」


「ガルハートさ~ん。 早く出てこないとヒサメちゃんが拗ねちゃいますよ~」


「あ~! お前たちは、また三人で昼間っから! 公序良俗に反します。う、うらやましくなんて、これっぽっちもないんですからねっ!」


扉の向こうからは、カイン、メイ、ヒサメたちの、瑞々しくも騒がしい声が響いてくる。

ザルカス、シルヴィたちも呆れた目でガルハートを見ていた。


「……やれやれ。お迎えが来ちまったか。せっかくオタマ婆さんの遺した隠し酒を飲み干そうと思ってたのによぉ」


ガルハートは重い腰を上げると、立ち上がるついでに、名残惜しそうにしがみついていたリノンとミーナの尻を「パーーン!」と威勢よく叩いた。


「ひゃんっ! いきなり何するのよ!」 「お猿さん! もう少し優しく叩きなさい!」


怒鳴り、頬を赤くする二人をガハハと笑い飛ばし、ガルハートは愛用の木刀『世界樹』を腰に差した。


「行こうぜ。藪から飛び出たドラゴンに、挨拶しに行かなきゃならねぇからな!」


王都を救った英雄たちの旅立ちを、見送る民衆の声は無い。ただ、色街の片隅からひっそりと、五両の重装馬車が北へと動き出す。


それはリノンが商会の総力を挙げて用意させた、鋼の如き「動く小城」であった。


行く手の空には北方の戦火を予感させる暗雲が垂れ込めている。


だが、車内に満ちるのは悲壮感ではなく、いつも通りの喧騒と、未来を笑い飛ばす軽やかな熱気だ。


その中心で、ガルハートの傍らに置かれた木刀『世界樹』が、来るべき戦いに呼応するように淡い翡翠の光を放った。


黄金の獅子を乗せた(わだち)は、迷うことなく北方の戦地へと刻まれていった。


【第一部:スターレ編・完】





王城の奥深く、国王との密談。


 エドワードは今回の事態を総括し、最後にガルハートという「男」について言及した。


「陛下。あの金髪の男……ガルハートは、王都を救った英雄であると同時に、素性の知れぬ危険な劇薬にございます。……しかも、奴の外見。あの金髪と碧眼は、王家の古い肖像画にのみ残る、ライナル王家の始祖『簒奪王』の特徴と奇妙な一致を見せている。


陛下もご存じの通り、金髪は北方の王族や貴種の血脈に発生することも稀にありますが、碧眼は国内外問わず『簒奪王』のみです」


国王が眉をひそめるが、エドワードは冷静に言葉を継ぐ。


「奴の出生を洗う必要があります。もし万が一、奴の身体に王国の遠い傍系の血でも流れているというのなら……それは好都合。 爵位を与え、貴族として王国の枠組みに取り込むべきかと。あれほどの『知性と暴力』を野に放ったままにしておくのは、国家の損失であり、最大の懸念材料です」


エドワードの瞳に宿るのは、冷徹なまでの責任感だ。


 得体の知れない怪物なら、鎖に繋ぎ、餌(地位)を与え、味方として飼い慣らす。それができぬなら、せめて北方の紛争地でその力を使い潰す。


「……今は、泳がせておきましょう。カインとスターレ家を『楔』として。奴が北方で何を成すか、それを見てからでも遅くはありますまい」


いつもご愛読いただいありがとうございます。

月、水、土曜 18時の週3回投稿になります。

月水土曜はガハハの日 お忘れなく。

『続きが気になる!』『面白い!』と思っていただけたら、下の星を【★★★★★】にして応援してくださいませ。嬉しくて頑張っちゃいます!

ブックマークもお願いいたします。感想もお願します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ