表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
生徒会長の苦心(決心)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/99

#4



最後のセリフは元気に言わなくてもいいと思ったけど、智紀はまたにこにこし始めてる。


「あと、俺の初めての恋人はお前だからな。さ、次はお前が自己紹介して」

「何も言うことない」

「だめだめ、順番だから」


そうは言うけど、自己紹介なんて一番苦手だ。しかも今さらすぎる。彼が知らないことって何だ?

「俺は……」

いや、まぁまぁあるか。

「……八月二十四日生まれ、乙女座。血液型はAB。好きな食べ物は肉全般で、趣味じゃないけど料理は毎日してる。母親がいないから」

智紀どころか、高校に入ってから誰にも話したことない。でも、彼には知っていてほしい。本当は隠しておきたいところも。

「でも代わりに、弟に甘いもの作ること多かったから。多分、お前にも作ってやれるよ」

「マジ!? それは是非お願いします! お前が作った菓子とか食いたい!」

「分かった分かった」

やっぱり子どもみたいな彼に笑いを堪えられない。嫌でも癒される、そんな存在だ。

「好きになった奴は結構いるかも。でも触りたいって思ったのは……智紀が初めてだ」

「さわ……」

言ってる意味が伝わったのか、智紀はやや頬を赤らめる。そして腰を浮かし、隣に寄り添ってきた。


「……俺も、お前が初めて。触ってもいい?」


ほとんど触れそうな位置に彼の手が。

息が当たる位置に、彼の唇がある。

触ってもいい、なんて愚問だ。────触ってほしい。


「ん……っ」


返事は言葉ではなく、彼の口を塞ぐことで応えた。

家に親がいないからって、こんなことはしちゃいけない。分かってるけど、身体は言うことを聞かなかった。

彼の膝の上にまたがり、熱くて柔らかい舌に必死に食らいつく。

何分そうしてたか分からない。智紀は何も言わず、優しい手つきで抱き寄せてくれた。

最後の良識も吹っ飛びそうだ。溶かされそうに、熱い。


「夕夏、大丈夫か? 無理すんなよ……」


心配そうに見上げる彼に、もっと触れたい。繋がりたくて、シャツのボタンに手をかけた。その手はわずかに震えてしまっている。

引かれないかな。笑われないかな。拒絶されないかな。


怖くてしょうがない……。


「智紀」

「うん?」

「今日。……帰りたくない」


怖いのに、さらっと言ってしまった。

顔から火が出そうだ。今この部屋の気温はやばいんじゃないかって、非常にとんちんかんなことを考えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ