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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
生徒会長の苦心(決心)

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93/99

#3



「金魚だ」


智紀の部屋は思ったより綺麗に整頓されていた。汚すと母親がうるさいらしい。

勉強机の傍に大きな水槽があり、そこには二匹の琉金が泳いでいた。水槽が立派過ぎて、逆にちょっと寂しい。

「俺も昔飼ってたな。すごく可愛がってたけど、あいつらの最期は……あまり思い出したくない」

「何があったんだよ」

智紀はお菓子を広げ、「食べよう」と手招きした。柔らかい座布団に座り、彼が入れてくれたココアを一口飲む。

「あぁ、美味い」

「だろっ? 最初は皆ゴミを見るような目をすんだけどさ、飲んでみると意外に美味いんだよ」

彼は無邪気に笑ってる。

人目を気にしなくていい最高の場所、最高の時間。


どうしよう。泊まりたい。


……でもそれは大きな決断だ。色んな意味で爆死する可能性がある。図々しい奴だと思われるかもしれないし、節操ない奴だと思われるかもしれない。

だけども帰りたくない。ここに居たい……マジでどうしたらいいんだ。


「夕夏、俺の半生記録アルバム見る? 生まれは沖縄、幼稚園は一気に上がって青森。初めての転校は小学校三年ときで京都、次に大阪。それから横浜、東京って来たんだよ」

「大変だな、お前……」


智紀が棚から引っ張り出したアルバムは、各所の観光地て撮った写真がたくさん貼ってあった。

そういや、俺は智紀のことはあまり知らない。家庭環境とか、これまでどんな友人がいたのかも。

「今まで仲良かった奴と、連絡とかとってんの?」

「あー、数人な。やっぱすぐに会える距離じゃないと難しいよ。電話だって、お互いのタイミングがあるし」

写真の縁をなぞりながら、彼は懐かしそうに目を細める。


「でも、元気でやってんなら別に会えなくてもいいんだ」

「……」


さらにココアを飲んで、彼の横顔を眺める。やっぱりアレだな。……こういう奴だから、どこに行っても上手くやってけるんだ。

「もっと教えてよ。俺、お前のこと全然知らない。趣味とか、好き嫌いとか、誕生日も」

「お? もちろんOK! 俺実は自己紹介のプロフェッショナルなんだ」

それはよく分からないけど、智紀はとても得意気に正座した。

「誕生日は五月二日、牡牛座。血液型はO型! 好きなスポーツはサッカーで、趣味はゲーセン巡り! 甘いものが好きだけど、辛いのはちょっと苦手かも。あと、恋愛経験はほぼゼロ!」




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