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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
生徒会長の告白(素顔)

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#14



彼には彼のペースがある。歩く速度を落とすんでもいいし、いざとなれば立ち止まってもいい。

今の自分の目標は前に進むことじゃない。彼の隣にいつまでも居られたら、もうそれだけでいいんだ。

「夕夏。もう出よう」

狭くて暗い個室、ってのも良くなかったかな。

尚さら暗い気持ちになるし、不安も煽る。でも他にゆっくりできる場所も無いのが悩みどころだ。

ひとまずトイレを出て駅のホームに向かった。何となく、人がいない一番端の乗り場まで歩く。夕夏は特に何も言わずついてきた。


「あの、さっきは変なつもりで触ったわけじゃないんだ。マジで、ちょっと強く抱き締めて、お前が近くにいるんだって確認したかっただけ。それだけは信じて!」


情けなさを全面に押し出すことになるけど、ジェスチャーを交えながら必死に説明した。兎にも角にも、下心は無かったんだと話した。

夕夏は暗い顔をしていたけど段々困った顔に変わり、やがて苦笑した。

「もうわかった。いや、わかってたよ。だからそんな情けない顔すんなって」

「本当? 俺のこと変態だと思ってない?」

「思ってない。お前は初々しくて、誰よりも純真だよ。……って、ちょっとクサイかな」

不思議そうに空を見上げる彼が、ちょっと可笑しい。人目も気にせず大声で笑ってしまった。


「夕夏ってたまにイタいこと言うよな。でもそれがイイ! かわいい!」

「だから、そういうこと言ってるお前の方がかわいいっつーの」

「そういう切り返しをしてくるお前の方が……いや、もうやめよう! これじゃエンドレスだ。かわいいの褒め合戦になる!」


智紀の叫びをかき消すように、ホームでアナウンスが流れる。それから間を空けず、満員の電車が到着した。


「お前、心を開くとデレまくるタイプなんだな。ギャップあり過ぎてびっくりした。どれくらいのびっくりかって言うと、次の時間割を勘違いしてたぐらいのびっくり」

「全然びっくりしてないな」


二人で電車に乗り込む。車内は人で埋め尽くされ、おしくらまんじゅう状態だ。智紀は扉の傍に、夕夏は小柄のため中央へ追いやられる。

吊り革から離れた位置で、近くに掴めるものを探した。しかし手の届きそうな位置にはなく、諦めて足元に注意を払う。


「夕夏、そこに立ってて平気? お前って背ぇひっくいもんなぁ」




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