歓迎会をしました
その日の夜、レイラ様の歓迎を兼ねての食事会をやる事になった。
「簡単な料理しかないけど食べてね〜」
テーブルの上にはパンにサラダ、野菜スープに燻製肉が置いてある。
「これ、もしかして全部手作りなんですか?」
「そうよ、作れる物は自分で作る、それが此処のルールよ」
はたしてレイラ様の舌に合うだろうか……。
「美味しいっ! こんな美味しいパン王都に売ってないわっ!」
うん、杞憂だった。
レイラ様はパンを一口食べて感嘆の声をあげた。
まぁ母上は料理上手だから心配は無かったけど、何せ田舎料理だから大味になってると思うんだけどどうやら合ったみたいで安心した。
「嬉しいわぁ、そんな風に楽しそうに食べてもらえるなんて」
「だってパンもサラダもお肉も全部美味しいんですもの。全部自家製なんですよね?」
「あぁ、ここの土は豊かだから作物がよく育つんだよ。水も地下から流れてくるから冷たいし美味しい。これも全て『守護樹』のおかげだよ」
「守護樹?」
レイラ様は首を傾げた。
「領土、いや国の護り神さ。と言っても今じゃその存在すら知らないだろうがな、家は先祖代々守護樹を枯らさない様に見張っているんだよ」
守護樹はこの村の奥の森にある大きな木の事だ。
「言い伝えによるとかつて魔王が存在した頃、この辺に魔王城があって勇者が魔王を倒して魔王城が崩壊した後に木が生えたらしい。女神様からの贈り物じゃないか、と言う噂もあったらしいが真実はわからん」
「そんな話、初めて聞きました……」
「昔話だからなぁ、でもかつては王族も参拝に来ていたらしい」
「今は人っ子一人も来ないわねぇ」
そう言って母上はちょっと寂しそうな顔をした。




