母上と再会しました
畑仕事を終えた父上と共に実家へと向かっていた。
「また人が減りました?」
「若い奴らは都会に行きたがるからなぁ、農業なんて進んでやる奴なんていないよ」
貴族学院に入学する前と違い一段と寂れてしまった風景を見ながら複雑な気分になる。
僕は田舎生活の方が性に合っているから帰ってきたけど知り合った友人達は出稼ぎと称してそのまま王都で兵士や冒険者として活動するらしい。
『とにかく地元に帰るのが嫌だ』と言う意見だそうだ。
そんなもんなのかなぁ、と思ってしまう。
そんな事を考えているうちに懐かしの我が家に到着した。
「ただいま〜、レイドが帰ってきたぞ〜」
「あら、そうなの?」
奥の方から声がして姿を表したのは……。
「おかえり〜、レイちゃん♪」
ニコニコしながらエプロンを着けた僕の母親でアーネット・ローマニア。
ただ、そのエプロンは血がベッタリで出刃包丁を持って出るのはどうか、と。
「ひぇ」
レイラ様がビクッとなったのは当然だろう。
「母上、お久しぶりです。とりあえずその姿でお客さんの前に出るのはどうか、と」
「えっ、あら美人さんがいるじゃない。もしかしてレイちゃんの『違いますから』あらら、残念〜」
何かとんでもない事言いそうだから即座に否定した。
「は、はじめましてレイラと申します」
「はじめまして〜、アーネット・ローマニアよ。こう見えても一応男爵夫人なのよ~」
口調はおっとりとしているから余計に見た目とのギャップがあるんだよね……。
「母上、もしかして解体してました?」
「そうなのよ〜、午前中に狩りに出かけてね」
「狩りっ!? 女性で狩りに出かけるんですかっ!」
「そうよ、この辺は野獣が多いから女性も銃を持って狩りに行く事もあるし獲物を解体する事もあるのよ」
母上の言葉にレイラ様は目をキラキラさせていた。
あっ、コレ母上と気が合うな。




