実家に帰ってきました
「到着、と」
馬車に揺られて数時間、漸く停留所にやってきた。
「ここがレイドの領地なの?」
「いえ、ここは隣の領地になります。ここから先は歩いて移動する事になります」
まぁ、この町、ヘイアールは家の領地と近い町なのでよくやってくる。
ここの領主と家の両親はご近所さんと言う繫がりで仲良くさせてもらっている。
「歩くと言っても森を越えるぐらいの距離なんで大した事は無いと思うけど」
「楽しみだわ」
レイラ様は目をキラキラさせている、うん大丈夫みたいだ。
僕達はヘイアールの町を出て森の中を歩いていった。
そして、森を抜けて現れた風景は……、
「まぁ……、想像していた通りの田園風景だわ♪」
田畑が広がり小川が流れ家がポツポツと建っている。
僕としてはかなり見慣れた風景だけどレイラ様には新鮮に見えているみたいだ。
「実家は奥の方にあるんで行きましょう」
整備されていない道を歩いていると畑で作業している人物がいた。
「あっ!父上〜!!」
「おーう、レイド帰って来たのかぁ」
僕が声をあげると顔をあげてのんびりとした声で返事した。
「あの方が男爵なの?」
「えぇ、カイル・ローマニア男爵です」
「男爵自ら畑仕事をしているの?」
「そうしないと生活が出来ないんですよ」
これが田舎貴族の現実なのだ。
僕達が話していると父上が近づいてきた。
「3年ぶりだなぁ、卒業式は出席出来なくてすまなかったなぁ」
「いいよ、この時期は田植えで忙しいからね」
「理解してくれてありがたいよ、でそっちの嬢ちゃん?」
「あぁ、この子はレイラと言って同級生なんだけど訳あってこっちで暫く過ごす事になったんだ」
「はじめまして、レイラと申します」
「そうかそうか、まぁ何もないところだがゆっくりしていってくれ」
ガハハと豪快に笑う父上。
「ね、僕の言った通りでしょ?」
「えぇ、すんなりと受け入れて驚きました」
多分、母上を見るともっとカルチャーショックを受けると思うよ。




