悪役令嬢を保護する事にしました
「それで……、レイラ様はどうされるんですか?」
「勿論、このまま着の身着のまま知らない所で暮らすつもり」
「公爵様にはご連絡された方が……」
「あぁ、大丈夫よ。私、家族とあまり仲が良くないのよ」
そう言ってレイラ様は苦笑いをした。
あ、もしかして立ち入った事聞いちゃった?
「うちの両親は面子の方が大事だからこんな事を起こした私なんて切り捨てるわよ」
「で、でも親子なんだし……」
「親子でもわかり合えない事もあるのよ」
レイラ様はちょっと悲しい表情を見せた。
家は両親ともに仲がいいし家族仲も良好だ。
言いたい事は平気で言えるし、たまに口喧嘩もするけど基本的には笑って過ごせる。
貧乏な家が家族に恵まれていてレイラ様は恵まれていない、なんとも不思議な話だ。
どっちにしてもこのまま放って置くわけにはいかない。
「あの、よかったら僕の実家に来ませんか?」
「え……?」
「僕の実家は国の端っこぐらいにある小さな田舎なんです。滅多に余所から人が来る事はありません」
「でも、いきなり私が行って大丈夫かしら?」
「大丈夫です、家の両親は歓迎してくれると思いますから」
両親は『来る者拒まず』の精神の持ち主だ。
「……ふふ、じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかしら」
そう言ってレイラ様はニッコリ笑った。
こうして何の因果かはわからないけど僕はレイラ様を保護する事にした。




