公爵令嬢レイラ
「えっ、これってどういう……」
突然の展開に僕は混乱していた。
レイラ様は勿論全身びしょ濡れ、服がピッタリとくっついているせいかスタイルの良さがよくわかる。
学院の時は勿論、遠目で見る事しか出来なかったし声なんてかける事なんて恐れ多い。
正に雲の上の人。
それがなんで川から流れてきたのか理解できない……。
「まさか婚約破棄……? それで川に捨てられた……?」
いやいや、そんな訳が無い。
「と、とりあえず意識があるか確認しないと……」
こんな時にいやらしい気持ちにならない僕を誰か褒めてほしい。
「あの、大丈夫ですかっ!?」
「う、うぅん……」
良かった、意識はあるみたいだ。
「今から火を起こしますからちょっと待っててくださいねっ!」
僕は燃えそうな物を片っ端から集めた。
そして持っていたマッチで火をつけた。
パチパチと言う音と共に火はどんどん大きくなっていく。
それから荷物の中からタオルを取り出しレイラ様にかけた。
それから数分後、レイラ様はゆっくりと目を開けた。
「こ、ここは……」
「心配しないでください。王都の川岸です」
レイラ様はゆっくりと体を起こした。
「私……、あぁ……、川に落ちたのね……」
「はい、流れてきたのでこちらに拾い上げました」
「ありがとう……、あの貴方は」
「僕はローマニア男爵嫡男のレイドと言います」
「そう……私はレイラ・ラントリーよ」
「勿論、お名前は知っております。あの、なんで公爵令嬢であるレイラ様がこのような状態に?」
「……私ね、婚約破棄されたのよ」
やっぱり婚約破棄か。
「僕はパーティーには参加していないので状況はわかりませんが」
「一方的にね、私を悪者扱いにして断罪してきたのよ、嫌がらせしたとか。勿論身に覚えが無いしあのカトレアって言う男爵令嬢とも一度も話した事なんてないわ」
「完全な冤罪じゃないですか!」
「私を陥れてでも一緒になりたかったのね、でもね私の耳には入っていたのよ」
「婚約破棄を計画している事が?」
「えぇ、そうよ。だから逆に利用してやろう、と思ったのよ」
利用?
「私、元々王族なんて興味無いしどちらかと言うと自然豊かな所でのんびり暮らしたかったの。これを機に全部捨ててやろう、と思ったの」
あれ? 想像していたのと違う感じがしてきた。
「だから婚約破棄を言ってきて一通り言われた後に『ご迷惑をかけたお詫びをさせていただきます』ってバルコニーから飛び降りたのよ、下が川になっているのは知っていたから」
計画的だったんかいっ!
しかもかなりのお転婆だった!!




