畑を耕します
世界樹を後にした僕達は自宅前の畑に来ていた。
「ここをレイラちゃんの畑にするわ、レイド貴方が指導してあげなさい」
そう言って母上は自宅へと戻っていった。
「ここが私の畑……、いよいよ私のスローライフが始まるのね」
うん、やる気は十分あるみたいだ。
「レイラ様は畑仕事ってした事あります?」
「野菜は無いけど花は育てた事があるわ」
「へぇ〜」
「自宅に花壇があってね、庭師に頼んで好きな花を植えて育てていたのよ」
「なんで育てていたんですか?」
「一種のストレス解消の為よ、王妃教育もそうだし学園でも完璧な淑女としての立ち振る舞いを余儀なくされていたし誰も相談できる相手がいなかったのよ。土いじりをしていた時が1番落ち着いて嫌な事を忘れられる時間だったのよ」
なるほど……。
「それじゃあ畑仕事には抵抗は無いみたいですね。まずは土を耕す事から始めましょうか」
僕は鍬を持って土に振り下ろす。
「地面の表面と中を掘り起こすんです」
「なるほどね、早速やってみるわ。よいしょっと!ってうわぁ!?」
レイラ様は鍬を思いっきり振り上げたが勢い余って後ろにドシンと尻もちをついてしまった。
「大丈夫ですか!?」
「いたた……、勢い強かったわね」
レイラ様はちょっと苦笑いをしながら言った。
この人、本当に公爵令嬢なんだろうか?
もしかして、これが素の姿なんじゃないだろうか?
だとしたら今まで相当無理をしていたんじゃないだろうか。
貴族の世界は難しいなぁ、なんて思いつつ畑仕事の指導は続いた。




