51:卒業後
夏休みのくる前、リオンは城に呼び出されていた。
西の国、ハンザの王子イサクとの婚姻の話はどうやら進んでいるようだったが彼が国王に掛け合ってくれたおかげか、リオンが学校を卒業してから、ということになったようだった。
「学校の、夏の休みに一度西へ行ってもらう」
「わかりました」
そう微笑んで国王に答える。
「あと、その時に国民に公表されることになるからそのつもりでいるように」
そうなのか、と思いながら丁寧に承諾の礼をする。
(皆には、先に言っておこうかな…)
翌日、リオンは授業が終わった後、まだ早いがいつもの3人を食堂に連れ立った。
「なんか、皆んなには先に伝えておこうと思ってさ。私、夏にハンザの王都に行くことになってて」
「え?それって……」
サラが驚く。
「まさかリオン、あの噂、本当だったのか?」
アーロンが聞くのでコクンと頷き話を続ける。
「卒業までは待ってもらえることになった。けれど、卒業したらこの国から、離れることになる。きっとみんなとも、会いづらくなる…から、公表される前だけど、先に言っておきたくて」
「そっかぁ……寂しくなるなぁ…それに夏休みほとんどそれに時間取られちゃうんでしょ?今年はリオンを家に招待しようと思ってたけど……難しそうだね…」
サラが寂しそうに言うので胸がギュッとしてしまう。
「……みんなは、卒業したら何するの?」
少し話を逸らしたくなってリオンが3人に聞く。
「私は家の仕事手伝う。貿易会社で女目線で仕入れとか手伝う予定。まぁお母さんがやってることと同じかな」
「俺は騎士団の試験受ける。そのためにここに通ってたしな。父ちゃんの後を追う感じ」
アーロンが言う。
「うちは、まぁ、家業」
そうカイが言う。
「そっか……当たり前だけどみんな、卒業したらばらばらなんだよな……」
なんだかしんみりとした空気が流れてしまい少しリオンは申し訳なくなった。
「……まっでもみんなそれぞれ頑張るために、卒業まで楽しもう!!ね!!」
サラが明るくそう言ってくれてその場の雰囲気は緩まった。




