45:凍てつく花②
授業が終わった後、隣のクラスのサラを捕まえようとカイが廊下で待っていると、彼女はアーロンと共に2人で話しながら教室から出てきた。
カイが話しかける前にサラが気づいたようで、こちらに向かってきた。
「ねぇ、カイ……知ってたの?」
もう隠す必要もないのだろうと思い小さく頷く。
「リオンがサラに『明日もいないから』って」
「そっか……」
リオンが王族だということは一瞬で学校中に広がった。それもそうだ。あの容姿で名前が第二王女と一緒、それにあの迎えの馬車。そうなのだろうと思うのが普通だろう。
むしろ今まで隠せていたことのほうが上出来だ。
「……言ってくれれば良かったのに」
そうぽつりとサラがこぼす。
「俺もそこまで詳しくは聞いてないけど色々と事情があったみたいで。それに王族だってわかるとみんなが距離を取るのをわかって隠してたみたいだ」
「そりゃその辺の人はこの国の王族のこと怖がるけどさ、私くらいは…私は……」
そう泣きそうになるサラをアーロンが宥めている。
「リオンが帰ってきたらその言葉、本人に言ったら良い」
サラに強くいったところで何ら意味がないなんてことは分かっていた。けれどカイは思わず当てつけるようにそう言ってその場を後にし、あの広場に向かった。
その日はだいぶ気温が下がっていたが、リオンのことを考えると今日は図書室になどいける気分ではなかった。




