Much Ado about Nothing?
放課後の教室。クラブ活動に勤しむ生徒達の声が、遠くから聞こえてきますわ。暫しの静寂。ルーファさんの言葉が頭の中でリフレインする。
「オレ、ルビちんが好きなんだ。でもネ。デートにお誘いしても、断られちゃうから、ハーンスをダシにさせて貰ったんだよネ。」
だから、ルビちんとハンスは付き合ってはないよ?っとルーファさんが言いましたわ。
つまりですわ。とどのつまり。
ハンスとルビアナの逢い引きは、私の勘違い・・・・好きあってるのは思い込み・・・・傷付いて、落ち込んで、嫉妬して、ハンスを拒絶したのに・・・・全部私の空騒ぎ・・・・という事ですの?
ふっわぁあああぁあぁ!!恥部!恥部ですわ!deletedeletedelete!!悲劇のヒロインどころか!喜劇のヒロイン!シェイクスピアも真っ青ですわ!!恋愛乙女遊戯のヒロインにあるまじき失態ですわーーー!!!
ーあっ私、ヒロインではありませんでしたわ。
錯乱しすぎよ。落ち着きなさい。『素数』を数えて落ちつくのよ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…わたくしに勇気を与えてくれる・・・・2、3、5、7・・・・ええっと・・・・
「ご納得いただけましたか?お嬢様。」
混乱する私に、にっこりと柔らかな笑顔を向けるハンス。ハンスの手が私の肩に添えられますわ。うぐぬぬっ。羞恥と気まずさと抜の悪さ。顔が熱い!熱くってよ!!
「まだよ!ならハンスとルビアナは、何故手を繋いでいたの!!」
そうよ!ぎゅっと手を繋いでいましたわ!わっ・・・・私だって、ハンスと街中を手繋ぎで歩きたいのにぃ!ぅうううう羨ましいのですわー!!
「手?繋いでたっけ?ハンス?」
「いや・・・・記憶にないが・・・・」
「まぁ!【記憶にございません】っと白を切るき!?私、ちゃんとこの目で見ましたのよ!二度見しましたもの!間違いありませんわ!!恋人でもないのに手を繋ぐだなんて・・・・はっ・・破廉恥ですわ!!」
「プッ!」
ちょっと!ルーファさん!何故肩を小刻みに震わせていらっしゃるの?それ、笑いを堪えてません?私、何かおかしな事をいいまして!?
「見間違えでは?」
震えるルーファさんを尻目に、ハンスが私に言いますわ。
「何故よ!」
そんな筈ないって言ってるでしょ!何故そんな事を言うの!?
「・・・・お嬢様の目は・・・・節穴ですから・・・・。」
「なっ!!」
「ブククッ!!」
お隣から、残念が籠った視線を感じますわ!そして、そこの糸目!肩が揺れすぎですわよ!!堪えきれてませんわよ!!漏れてますわ!お笑いが!!
「いいえ!たーしーかーにーみーまーしーたーわー!この眼で!この碧目で!ほら、私の眼は節穴ではありませんわよ!ちゃんとご覧なさい!ほら!ほら!ほらぁ!」
ぐいっとハンスの腕を引っ張り、頬を両手で挟みますわ。よぉお~っくご覧なさい!私の眼を!何処に穴がありまして!?なんなら貴方の眼に、穴が開くほど見つめて差し上げてよ!?
「おっ・・・・お嬢様っ!?」
ふふふ。私の気迫にハンスもたじろいでいますわ。このまま勢いで全てを有耶無耶に!全て無かった事に!
「お嬢様っ・・・・離して下さい。」
ハンスが目を逸らしますわ。くっ逃しませんわよ!穴を開けてやるのですわ!負けませんわよ!
「私の眼に。節穴はあって?」
「・・・・ありません。」
「ほら見なさい。私の勝ちね!オーッホッホッホ!破廉恥を認めなさい!ハンス!」
私に募られされ、ハンスはぐったりと疲れた表情を見せますわ。
「ハレンチ、ハレンチって・・・・今の状況の方が、よっぽどだよネェ。」
くつくつと愉しそうに笑うルーファさん。今の状況って?
キョトンとクビを傾げ考えますわ。一体何を指してるのかしら?
「嫌がるハーンスの顔を、無理矢理挟んで顔を近づけるヴィクっち・・・・うん。キスでも迫ってンの?」
「ごフッ!!ンンッ!!」
ハンスが噎せる。ひやっ!?ふはっ!?はいぃぃ!?嘘!?私がハンスを襲うだなんて・・・・そんな事・・・・
「ヴィクっちったら・・・・ほんとダイタンだネ♪」
ルーファさんのトドメの一撃!!
「え・・・・・・冤罪ですわーーーーーーーーーーー!!!!!!」
私ッ、ハンスを襲うような痴女ではなくってよーーーー!!!
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ルーファの一撃
ヴィクトリアは精神に100のダメージ!
ハンスは、むしのいきだ!




