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転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第二章
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レクリエーション2/7

  カラツメ草原。

そこから私達は、ウィーシュカットの森を目指し歩きますわ。


フィールド滞在時間は三時間。三時間を経過すれば、各班に渡された魔法具が発動して、強制的にカラツメ草原の野営テントに戻されますの。


怪我した場合や不足の事態が起こった場合は、任意で魔法具発動、帰還が可能。ミッションポイント付近に先生方がいるので(といっても姿を隠しているみたいですが)ので、安心しろとMrsシャーウッドが仰ってました。


  そして、今回のオリエンテーションでは、この三時間以内にどれだけのミッションをこなすかで得点を競うのですわ。


「この先は、なんだか歩き難いですわね。」


ウィーシュカットの森を目指し歩く私。急ぎ踏みしめる度に、足元の土がぶよんぶよんと震え。ブーツの踵がズブズブと沈みますわ。


「まるでゼリーのような地面だねぇ。ふよふよしてるよぉ」


  おっとっととよろけながら歩く、トリフォリウムさん。転けそうになる度に、ハイドさんがその腕を掴み引っ張りあげますわ。


「みんな。待って、これ地面じゃない。進んじゃだめ!」

「・・・・ビビリ草やモルセル、ジシバリナ・・・・草木の分布を見ると、この草原は乾燥しがちな硬い土壌な筈だな・・・・」


  フィロスが私の手を取り、引き寄せますわ。ハイドさんはボソリと呟くと、トリフォリウムさんをそのまま背後へ放りましたわ。


一体何を!?ーー・・・・あら?先ほどまで私達が立っていた場所が、うねうねと動きはじめましたわね・・・・・・。


「えっと・・・・つまり、コレは?」


「スライムだな」


スライム!?初めて目にしますわ!


「おおっ!スライムか!久しぶりだな!俺に任せとけ!こんなの魔法無しでいける!」


  レオニダスがローブを脱ぎ捨て、腰に下げていた剣を抜き、半透明なソレを切りつけていきますわ。って、あれ?貴方剣を所持していましたの!?



「アクアスライム。うん最弱モンスターだね!ちゃっちゃとやっつけて核をゲットしちゃおー!」

「ミッション2の課題だねぇ。スライムの核。スライムは有害魔獣指定されてるから・・可哀想だけど駆逐しなくちゃ・・すぐに増えるから生態系を壊すし」


  フィロスは、ナイフ。トリフォリウムさんは投石武具(スリングショット)。ハイドさんは両手剣・・・・。


呆然と佇む私を他所に、手際良くチャッチャと片付けていく三人。


切って指してボコって・・・・あっという間にスライムは、核を残し分解されてしまいましたわ。


私の出番無し。


「皆さん。ちゃんと武器を所持していらっしゃったのね」

「ん?魔法触媒は、愛用品でってMrsシャーウッドが言ってたからねー。私はこの銀のナイフだよ。投げちゃうと回収が面倒だけど、常備1000本以上は所持してるからー」


フィロスが、ローブを捲り裏側を見せましたわ。うわっびっしりとナイフが・・・・


「もしかして、スカートにも?」

「んふふー。ヴィーちゃん。乙女のスカートの下には夢と希望が詰まってるんだよー?それは、ひ・み・つ」


人差し指を立て、バチーンとウィンクをするフィロス。

・・・・風にもめくれ上がらない、鉄壁のフィロスカートの謎が、少し解けた気がしましたわ。


「ヴィクトリアさんは、その扇子が触媒?」


トリフォリウムさんが、私を見上げ尋ねますわ。


「ええ。愛用品をと言われたのでコレにしましたの。皆さんのように、ちゃんと武器にもなるものにすれば良かったですわ」



  魔法を使用する際の触媒。それは、愛着のあるものや愛用品である程、うまく魔法を形にしやすいと言われていますわ。


指輪やネックレス・・・・ぬいぐるみを触媒にされる方もいらっしゃいますの。上級者になると、触媒無しで魔法を使用できるのですが、あった方が効果は上がりますし安定もしますわね。


  因みに、私の扇子はハンスからの贈り物ですのよ。アルファフォリスへの入学が決まった際に、ハンスが贈ってくれたのですわ。薔薇の透かし彫りが綺麗。とても大切なものですの。


「お嬢は、てっきり鞭とか大剣にすると思ったんだけどなー。扇子か。特大な扇子なら、そのまま武器にできるんじゃねーの?すっげー似合いそう」


レオニダス・・・・どこの世界に鞭や大剣を愛用する令嬢がいまして?それと特大な扇子・・・・それはハリセンですわ。


ハリセンなんてこっちの世界にありませんわ。そして私は、お笑い芸人ではありませんから。あったとしても、ハリセン装備なんてお馬鹿な真似致しませんわ。


「あーでも、すでにお嬢は武器あるじゃん」

「あら?私の武器って何かしら?」


レオニダスが、無邪気な笑顔で私に言いますわ。


私の武器?それって溢れんばかりの美貌の事?それとも隠しきれない知性?人々を魅了する愛らしさの事かしら?


「お嬢の武器は、エッジの効いたするどいドリル!!」

「だまらっしゃーーい!!」


ーパシーン!!


私のドリルを弄るだなんて、いい度胸ね!レオニダス!お望み通りこのドリルで、貴方の頭に穴を開けて差し上げましょうかぁあ!?ええ!!


「ってーー!その扇子、やっぱ武器だろ!!もうそれで戦えよ!」

「違いますわ!これは、淑女の嗜み!淑女のアクセサリーの一部ですわ!けして武器ではなくってよ!これで戦えって貴方阿呆ですの!?」



あーもう!躾と突っ込みのために、ハリセンを自作してやろうかしら!!レオニダス専用で!!







閲覧ありがとうございます。



嬉しいです。

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