レクリエーション3/7
スライムを倒し先へと進みますわ。
「アイテムは、俺が預かる」
核を袋へ収納するハイドさん。
「えへへ。ハイド君荷物持ちありがとう。」
「お前等に持たせると、紛失破壊しそうだからだ。礼を言われる筋合いはない」
トリフォリウムさんの言葉に、眉間に縦じわを刻みながら唸りますわ。おおっ。威嚇ですわね。まだ警戒は取れてないようですわ。
この世界も、どうせでしたらアイテムボックスとか鑑定能力とかあれば宜しいのに。魔法あり、魔獣ありなのに獣人や魔人がいないだなんて・・・・中途半端なファンタジー感で、なんだかがっかりですわー。
「スライムの核はね、シュワッとしてて、刺激的な味なんだよー。少しだけ魔力も回復するんだー」
フィロスが、核について講釈してくれますわ。
「まぁ、そうですの。では、魔力がきれたらいただきますわ」
「うんうん。あと色によって味が違うんだよー。この青がソーダ味。赤は苺で、緑は青リンゴ、茶色はチョコで、黄色はカレー」
「黄色が気になりますわ」
なぜにカレーですの?色々と突っ込みどころのある食材ですわね。
「いっそ、全食制覇したいですわ」
「流石ヴィーちゃん、わかってるねー」
「おホホホ。美食家として当然ですわ」
「美食家?微(妙な)食(事をとるや)か(ら)の間違いだろ」
「・・・・・・・お前等、本当に女子か?」
私とフィロスの会話に、うげっという顔をするレオニダス。ハイドさんは、厳つい顔を更に顰めますわ。あら?女子らしく食べ物の話をしているのに。なぜ?
「おい。ハイド、これ薬草だよな!ミッションの一つ!」
草むらを指し、引き抜こうとするレオニダス。あら?薬草ってそんな形だったかしら?もっと鮮やかなグリーンでそんなギザギザな葉先ではなかったような・・・・
「おい!それは違う、触るっ・・」
「あばばばばばばばば!!!」
なんて事・・・・レオニダスがあばばば言ってますわ!?電気ショック!?えぇっ!?
「ああ、レオ君大変だぁ。大丈夫ぅ?」
「早くソレを離せ。ビビリ草だ」
「うっわー。ピリッとキター!あはははは!びっくりするなコレ!!」
目を丸くさせ、笑うレオニダス。あら、怪我はないようね。
「笑い事じゃないだろ。植物に触れる際は一声かけろ。判断してやる」
「ハイド君、魔植物に詳しいもんねぇ。色々教えてくれるんだねぇ。ありがとう」
「教えるつもりはない。下手なものに触れて、怪我されても迷惑だ」
ギョロっと大きな目で威圧してくるハイドさん。それをふわふわと嬉しそうに返すトリフォリウムさん。トリフォリウムさんが普通に接するから、ハイドさんの威圧も形無しですわね。
「なら貴方だけで採取すればいいのに。その方が効率がいいでしょ?なのに、私達にもやらせるのねー」
薬草をとり、レオニダスの手に無言で擦り込んでいたハイドさんに聞こえるように、フィロスが呟きましたわ。
「・・・・不満か?」
「いいえ?学ぶ機会を奪わなよいようにでしょ?それ。素直じゃないわねー。ハイド・レンジア」
にやにやと笑いながら、ハイドさんに絡むフィロス。
「まぁ!そうでしたのね!ハイドさん。神経質で、目つきも悪くて、常に不機嫌だから人嫌いなのかと思ったのですが、とってもお優しいのですわね!私、貴方の事を誤解していましたわ!ごめんなさい!」
「はぁ!?」
「私、よく視野が狭いと言われますの。何か間違った事や思い違いをしていたら、遠慮なく指摘いただけないかしら?貴方、とっても落ち着いていらっしゃるし、博識なようですから。私も得意分野でしたら協力します。どうぞ宜しくお願い致しますわ!」
ペコリと頭を下げ頼み込みますわ。ええ、こんな機会ありませんもの。魔植物にも詳しいのなら、私の没落計画(農業)のよきアドバイザーになっていただけそう!是非ともご鞭撻の程、宜しくお願い致しますわ!
「ー・・・・なに、頭下げてんだ・・・・お前」
あら?何故か困惑の交じる声がしますわ。私変な事言ったかしら?
「お前・・・・貴族だろ?」
「ええ。それがなにか?」
確かに貴族ですわね。アクヤック家の人間ですから。
「貴族のくせに、なんで頭を下げる。平民以下の俺に・・・・ここがアルファフォリスだからか?」
また縦じわが増えましたわ。ハイドさんのお顔がますます厳つい!私、そんなに変な事言ってますの?
「え?教えを乞うのに、頭を下げるのは当たり前でなくって?アルファフォリスかどうかなんて関係ありますの?」
「・・・・謝るのもおかしいだろ」
「貴方の事を初見だけで誤解していましたわ?情に厚い方だと知って嬉しく思いますわ」
「・・・・俺はっ!別に情に厚くなんかない!勝手に思い込むな!」
「一匹狼ですわよね?狼は、情に厚く、仲間をとても大切にする生き物ですわ」
にっこり笑うと、はぁーっとため息を零されましたわ。
「・・・・本当に話が通じないな。お貴族様って奴は」
頭をかきながら、「変わった奴・・・・」っと呟かれましたわ。その変わった奴って、私の事じゃありませんわよね?よく令嬢らしくない!っとハンスに叱られますけれど、私、淑女の鏡なヴィクトリア・アクヤックですのよ?
小首を傾げ見上げると、ハイドさんは、私に背を向けるそのまま前を歩き出してしまいましたわ。
うーん。なかなか打ち解けられませんわね。同じ班ですもの。仲良くできるならしたいのですけれど。
「あっ、森の入り口が見えてきたよぉ。ユニコーンに逢えるといいねぇ。」
トリフォリウムさんの柔らかな声が、ウィーシュカットの森に近付いてきた事を教えてくれましたわ。
「他のミッションも何個かこなせるといいな!魔獣狩りは俺に任せろ!」
「食べ物系の採取なら任せて。森に入るのもなれてるから」
「魔植物の判断は・・・・してやる」
「乙女の祝福は、私が!ええ!皆で力を合わせて、ミッションクリアを目指しますわよ!」
ふふふ。なんだかんだで、いい感じの班ですわ!
私達四人に死角無し!
ユニコーン!首を洗って待ってらっしゃい!




