一文吝みの百知らず
本日2話更新しています。
「ヴィクトリア様は…その。私を本気で友人に?」
「ルビアナ。ヴィーよ。ヴィーと呼んで頂戴。」
「…あの。良いのですか?私なんかが、友人になんてさせていただいて…。」
「私は、貴女がいいのよ。ルビアナ。それともあれかしら?ルビアナは、私とお友達になるのが…嫌?」
「いえ!!そんなわけでは!!私も、ヴィクトリア様とお友達になりたかったので…とても嬉しいです。」
頬を染め上げ、恥ずかし気に微笑むルビアナ。ああ、なんと可愛いのでしょう!キュンと胸が高鳴りますわ!
「ヴィーよ。ルビアナ。あと、敬語もいらないわ。ここは、アルファフォリスでしてよ?身分差なんてありませんのよ?」
「…ヴィー。」
はにかみながら、おずおずと私の名前を口にするルビアナの破壊力!!
「なんだか…いけない扉を開いてしまいそうでしてよ…。」
「それはただちに閉じて下さい。お嬢様。賛同は致しかねます。」
ハンスに即効で閉じられてしまいましたわ。
冗談の通じない男ね。
「お嬢様の暴走は、何処に向かうかわかりませんので…。」
「大丈夫よ。いくらルビアナが可愛くても、私の想い人は、貴方だけよ。ハンス。だから私とけっこ…「謹んで、辞退させていただきます。」…。」
くっ!また最後まで、言わせてもらえなかったわ!
「あの…ハンスさんと…ヴィーは…どういった関係なんですか?」
私達のやり取りを見て、ルビアナが不思議そうに尋ねてきましたわ。
「あっ、それ俺も気になってたんだよな!歳も離れてるし。ハンス、お嬢に対してすげー過保護だし!もしかして恋人か何か!?」
「ただの、執事と主だよ。」
レオニダスの言葉に、ハンスが抑揚なく被せますわ。
「え?執事って…学園は、執事連れ禁止だろ?特別待遇なのか?いいのかよ?」
「たまたま、俺の魔力も発芽したんだよ。入学が一緒になったのは、そういった理由だ。」
「へー。なら、学園では【執事】でなくただの【ハンス】だろ?なんで敬語で話してんだ?」
そうね。それは私も思いましたわ。
「そうよハンス。ここでは、身分差なんてなくってよ。レオニダスの言うように、敬語なんてやめて頂戴。」
「ーそういう訳にもいきませんよ。何処にいこうとも…私にとって、お嬢様はお嬢様なんですから。」
「…敬語は、おやめになって。」
「無理です。第一、『娘を頼む』と旦那様にお給金を頂いておりますし…。」
ですから、私は執事としてお嬢様に接します。
と宣言されてしまいましたわ。
「…なら、そのお給金は即効受けとるのをお止めになって。」
「は?」
「対価が発生するから、仕事になるのですわよね?私、学園にいる間…ハンスを執事として見たくありませんわ。それに、執事付きだなんて【特別待遇】…悪目立ちしましてよ?」
「貴方、私に恥をかかせたいの?」
「いえ…そういうわけでは…」
「なら、この学園で生活してる間は執事でなくハンスでいて頂戴。」
「…しかし…お金も戴いていますし。」
「ですから、それを受けとるなと言ってるのです!」
受けとらなければ、仕事が発生しないでしょう?ね?ヴィーちゃんったらあったまいいですわ。
「お嬢様は、私に死ねと??」
なんですの?聞こえませんわ?
「…無理です。執事は…やめません。」
くっ!しぶといわね。
「だなー。仕事を奪われるのは、死活問題だもんな。」
「うん…そういった事情なら…仕方ないよね。」
レオニダスやルビアナまで!
「私は、お嬢様の執事です。諦めて下さい。」
「ーっ!いつか執事なんて辞めさせてみせますわ!覚悟なさって!!」
そして、私の旦那に!伴侶に!
「ーっうわ。お嬢何気にヒデーな。」
「…ヴィー。…ハンスさんが可哀想。」
ーっ待って!?二人共!?
何か勘違いをしてらして!?
…私は、ハンスの首を切って、路頭に迷わせたいわけではなくってよ!
むしろ永久就職先を提示してましてよ!?
ああっ!目先のハンス攻略を勤しむあまり、友人の好感度を下げてしまいましたわ!
ありがとうございます。
嫁においで。ハンス。




