表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第一章
PR
19/107

壁は友達


「お嬢!散々だったなー!」


はははは。とレオニダスが、私の肩をバシバシ叩いてきますわ。


ですから、貴方…力加減をお考えになって。というか、気安く私に触れすぎですってよ。


  寮に戻り、着替えてからこちらに戻ってきましたのに…殆どの生徒がもういませんわ。


「今日は、入学式とホームルーム…それと学園案内だけですからね。殆どの生徒は、学園の中を上級生に案内してもらってるんでしょう。」


「そうですのね…。私…結局、クラスメイトと殆ど話ができませんでしたわ。」


  女の子のお友達ができるかと思いましたのに…。女子が三人だけなのですわよ。これでお友達になれなかったら、私…人生に絶望しますわ!


  例えそれが、フィロス・インカであっても…背に腹は変えられなくってよ!不本意ですが、私の友人の1人に加えて差し上げても宜しくってよ!ヒロイン!!


「せっかくですから、声をかけてはいかがですか?ほら。彼女もこちらをチラチラ見てるようですし。」


彼女?


ハンスの指差す方を見ますわ。


壁しかありませんわよ?


「どなたかいらっしゃるの?」


  教室に残っているのは、ハンスと私とレオニダス。それと、暗い顔をしてびくびくと震える男子生徒。ムスッとした顔で外を見つめる、痩せ細った男子生徒だけですわ。


しかし…こんな所に壁などあったかしら。

教室の真ん中にあるなんて、邪魔ですわね。

前が見にくいのでなくて?


「この壁…邪魔ですわね。」


ポツリと呟くと、壁がビクッと震えましたわ。

ー地震?


いえ…でも揺れは、感じませんでしたわね。


「今…あの土壁が震えたような…」


不思議に思い、近づいてみましたの。


ースススス。


あら?今、壁が後退したような…。


首を傾げ、凝視してみますわ。


「どこも、おかしくはないわね。」

「いえ。おかしい所ばかりかと思いますが…。」


ハンスに突っ込まれてしまいましたわ。何故ですの?


「壁があるだけじゃない。何かおかしくて?」

「…そもそもそこに壁ソレがあるのが、おかしいかと…」


何故疑問を持たないのですか…と残念な視線を投げかけられてしまいましてよ。非常に遺憾ですわ。


「おい。ルビアナ。隠れてないで出てこいよ!お前、お嬢の事心配してたんだろ?」


レオニダスが、笑いながら壁に話かけますわ。

貴方、壁に話かける趣味がありましたのね。

壁は、お友達じゃなくってよ?私だって人前では、(壁に)話かけるのを自重しますわよ?


「…あっあの…」


なんと!?壁が返事をしましたわ!!

それもなんだか、愛らしく可愛い声ではありません事!?


ちょっと!この壁、萌えますわ!小刻みに震える所など、私の庇護欲を掻き立てましてよ!!


「ルビアナ嬢。安心して出て来ておいで。お嬢様は、少々あれだが…物理的に噛み付いたりはしない…筈だから。」


ハンスまで、柔らかく優しい声で壁に語りかけますわ。色々と言葉に、異議がありましてよ???


「…。ヴィ…ヴィクトリア…さま?」

「はい。」

「あっ…あの…私…。」


おずおずと、土壁から可愛らしいご令嬢が顔をだしてきましたの。


「私…ルビアナ・アマルフィ…と申し…ます。…アマルフィ男爵家の次女になります。…その。ヴィクトリア様と同じクラスになれて…私…嬉しくて…」


 ゆるふわウェーブのかかった、ハニーブラウンの髪。不安げに揺れる焦げ茶色の瞳。ソバカスかかったお顔をほんのりとピンク色に染め、小柄な容姿は、まるで小動物のリスのよう…。


「愛らしい!愛らしいですわ!」


思わず抱き締めて頬ずりしましたわ!何この子!小さくてふわふわしてて、柔らかくてよー!!!


「ふわわわわわっ!?…ヴィッ…ヴィクトリアさまっ!?」

「貴女!ルビアナと言うのね!私と同じEクラスですのよね!?私を心配してくれてたって本当かしら!?ルビアナと呼んでも宜しくて?私の事は、ヴィーと呼んで下さって結構よ!お友達!お友達になって頂戴!!」


むぎゅーっと力いっぱい抱き締めますわ!

こんな愛らしいご令嬢と同じクラスなんて、なんという幸運でしょう!?捕まえましたわ!離しませんわ!逃がしませんわよ!逃がしてたまるかー!ですわー!!!


「お嬢様…。落ち着いて下さい。」

「何よハンス。邪魔しないで頂戴。」


  私の人生初の女友達ゲットが、かかっていましてよ?邪魔をするなら、貴方であっても許さなくってよ?


「…そのままですと、ルビアナ嬢が窒息してしまいます。」

「は?」

「おいおい。お嬢の胸は、凶器かよ!?」


気付けば、私の胸元で息ができずにもがくルビアナが…。


「あああ!?ごめんなさい!!ルビアナ!!私ったら!!なんてことを!!」


「ふわわっ…らいりょーぶれふ。うぃくとりあしゃまー。」


くるくると目を回しながら、ルビアナがこてんと倒れてしまいましたわ。



閲覧ありがとうございます。



その凶器。

私も欲しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ