塩対応
「いやぁ。あんたらに出会えてよかったわー。」
パタパタと尻尾(幻影)を振りながら、嬉しそうにレオニダスお馬鹿わんこがついてきますわ。
「へー。ハンスさんも、俺と同じ新入生なんだ。けっこー年上だよな!?」
「あぁ…俺は、魔力の発現が遅かったから。…ハンスでいい。同じウィッツだろ?」
「そっか。なら、ハンスあらためて宜しくな!俺の事は、レオって呼んでくれよ!実は、教員かと思ってたんだ。ごめんな!」
無邪気に笑うレオニダスに、ハンスもひきつった笑いで返しますわ。
レオニダス…人の心を抉るのは、何も拳だけじゃなくってよ…。言葉もナイフに変わりますのよ。
「お嬢も、俺と一緒なんだよな?あんたらと同じクラスだといいな。」
「お嬢?」
「あんたの事だよ。あんた、すっげー綺麗だし、上品でお嬢様って感じだろ?別の呼び方した方がいいか?」
「お好きに呼んでいただいて結構ですわよ。」
私が返事するかは、別ですけど。
私、攻略対象貴方達と馴れ合うつもりは一切なくてよ。
懐かれても困りますわ。
「レオは、魔力がよく暴走するのか?」
「ああ。俺、魔力が上手く制御できてなくて。しょっちゅう風を起こしたり、爆走したりしちまうんだよ。」
「思春期特有の、不安定な精神に由来するものですわね。」
「うん?なんか小難しくてわかりにくいな。それ。」
「こどもは、うまく気持ちが抑えられないって事ですわ。魔力は、精神に大きく左右されますのよ。知ってらっしゃらないの?」
「あー。俺、覚えるとか、頭使うとか苦手だから。」
頬を指先で擦り、レオニダスが気まずそうに笑いますわ。そんなだから、貴方はお馬鹿わんこと呼ばれるのです。
「騎士を目指しているのでしたら、頭も使う必要がありましてよ?実戦でも勘や体力だけでは、限度がありますわ。王国の騎士団長は、知略にも長ける方が就かれていますわ。」
「苦手苦手と逃げる方は…騎士になどなれませんわね。」
筋肉馬鹿が昇りつめれる程、騎士団長の座は安くありませんでしてよ?貴方、将来そこに座る可能性のある人物なのでしょう?
私、無能な人間に国の中枢を任せたくなどありませんわ。
「騎士を目指すのでしたら、まず、その未熟な精神を鍛える事をお薦めいたしますわ。魔力暴走で、貴方に突進されるなんて経験…私は、一度で結構でしてよ。」
優しく対応して、懐かれでもしたら大変ですわ。ここは、嫌みったらしい性悪令嬢の塩対応モードでしてよ。
「お嬢様…少し言い過ぎでは…。」
うぐっ。ハンスの詰るような視線が痛いわ!
ハンスの好感度と引き換えの諸刃の剣…血へどを吐く程辛くってよ!
しかし、ここでレオニダスの好感度を下げておかなくては…。
耐える…耐えるのよ…ヴィクトリア…。
さぁ、レオニダス!私を落胆と非難の目で見つめて頂戴!!
ーって何故ですの?
貴方…その若草色の瞳…キラキラ輝かせていません事?
「ありがとう!お嬢!」
ーはい?
「騎士になるには、精神を鍛えるのが大事だよな!戦いに頭使うのも、当然の事だ。」
ーはぁ。
「お嬢、あったばかりの俺の事を、そこまで考えてくれるんだな!正直、近寄りづらい感じしてたけど、優しくていい奴なんだな!」
ー…。
「また、何かあればアドバイスしてくれよ!あんたに言われるとやる気でる!」
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肉を斬らせて、骨をた・・・・てれてない。




