スキルと称号
本日2話更新しています。
「お嬢、あったばかりの俺の事を、そこまで考えてくれるんだな!正直、近寄りづらい感じしてたけど、優しくていい奴なんだな!」
ー…。
「また、何かあればアドバイスしてくれよ!あんたに言われるとやる気でる!」
塩対応をした筈ですのに・・・
ー何故ですの?
貴方…確か、優しく褒めて認めて励まして、好感度上がるタイプですわよね?ウキペディアにそうありましてよ?
私、飴は差し上げませんわよ?鞭のみのスパルタでしてよ??
これ、好感度上がってませんこと?
尻尾!尻尾の幻影が見えますわ!
私に向かってブンブンと横に揺れる、お馬鹿犬の尻尾が!!!
なんですの!私、貴方のご主人様になんてなりません事よ!
お馬鹿犬の躾、矯正だなんて面倒事ごめんですわ!!
ヒロイン!ヒロインは、何処ですの!?今こそ出番でしてよー!
きぃいぃ!!肝心な時に役に立たない、ヒロインと残念ウキペディアめ!
「なぁ、お嬢、ハンス。俺と友達になってくれよ。俺田舎からでてきたばかりで、友達まだいなくてさ。」
「あんたらすげーいい奴だし、気に入ったし、友達になってくれると嬉しいんだけど。」
照れくさそうに頬を赤らめるレオニダス。
うむむむむ。よっ…よろしくってよ!
私も、その…色々とあって(主に山猿皇子が原因で)…友人が少なくってよ。
「そうね…貴方がそこまで、どーしてもっとおっしゃるのでしたら…友人になって差し上げても宜しくってよ!オホホホホホホ!」
「おう!是非!宜しく頼む!」
再度差し出された手を、恐る恐る握ってみましたわ。歳の割に、ゴツゴツとしていて硬い指の節…。レオニダスは、ハンスの手も掴むとブンブンと嬉しそうに振りましたわ。
ちょっと!お馬鹿犬!少しは加減なさい!
痛い!痛いですわ!腕が痛い!!
「あっヤベ!早く教室に行かないとな!」
「いそぐぞ!お嬢!ハンス!」
そう言って、レオニダスは廊下を駆け出しましたわ。
「レオニダス!廊下を走るのは、お止めになって!!」
先程言ったばかりというのに!このお馬鹿犬!後でお仕置きですわよ!まったく!!
「あー。懐かれちゃいましたね。」
「…そうね。」
「お嬢様は…ほんと…昔から変わりませんね。」
レオニダスの背中を見つめ、ハンスがため息を溢しますわ。
何よ?
貴方だって、懐かれてるじゃない?
友達宣言をした事に、何か問題でもありまして?
「貴女は、貴女自身の事をよくわかっていらっしゃらないんですよ。」
少し責めるような視線を、私に向けてきますわ。私が私の事を一番わかっていましてよ!意味がわかりませんわ!?
「天然人たらし…って言ってるんです。」
「なっ!何を人を節操無しのように!!」
それは、ヒロインの固有スキルですわ!私、人に嫌われた事はあっても、好きになられた事なんてなくってよ!現にオズワルド皇子然り、家のメイドやコック長然り、運営然り…愛を囁き続けた貴方ですら、私に靡いてくれないじゃない。
…やだわ。
何故か泣けてきたわ。
大丈夫。私には、たった今、私を慕うレオニダスという友人ができましたもの!
それにブルーテスお兄様だって、私の味方で私を愛して下さっているわ!
嫌われっ子な悪役令嬢でも、好意を持ってくれる人間はいるのよ!その事を人たらしと言われるのであれば、私は、人たらしという称号を喜んで享受致しますわ!!
「人に好かれる事を、人たらしと言うのでしたら、私は人たらしでいいですわ!」
つん!っと顔を背け、不貞腐れてみますわ。
ほんっと、ハンスは私に厳しいですわ。
私が人たらしなら、貴方…たらしこまれなさいよ。
私がたらしたいのは、貴方だけでしてよ?
「それを側で見続ける、俺の身にもなって下さいよ。」
「嫌なら、見なければ宜しいのではなくて?」
「それができれば、苦労してない。」
ムッとした表情で返すハンス。納得いきませんわ。
「私の気持ちを受け入れてくれない癖に…私に向けられる好意は、…見たくもないのですわね。」
酷い人ね。私だって、嫌われてばかりじゃ悲しいのですわよ?一番欲しい、貴方の気持ちが手に入らないのですもの…。その上、全てに拒絶されたら…流石の私も強くあれませんわ。
「…申し訳ありません。」
「…いいのよ。ハンス。」
わかってるわ。
貴方が、私を嫌ってはいないって事は…。
好きでいてくれているのかは…わからないけど。
ああ。駄目ね。しんみり落ち込むのは、私らしくありませんわ!
私は、いつだって、この美しい顔をあげて不敵に無敵に前向きに。心のままに最善を尽くすのでしてよ?
いつか必ず振り向かせ、手にいれて見せますわ!
そうよ!とろっとろにたらし込んで差し上げてよ!
だからハンス。貴方、首を洗ってまってらして?
私、そんじょそこらのしおらしいご令嬢じゃなくってよ。よろしくて?
オーッホッホッホッホッホッホ!
ありがとうございます。
ヒロイン固有スキル&称号【人誑し】を手に入れた。




