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転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第一章
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12/107

ツンデレはヤンデレら。

本日3話分更新しています。



 会場の外壁に寄りかかるハンスを見つけ、私は、慌てて駆け寄りましたの。


「お嬢様。終わったんですか?」


顔色は、元に戻っているみたいね。


「ええ。貴方は、もう平気なの?」

「はい。親切な方に介抱いただいたので。」


にっこりと笑うハンス。

そう。なら良かった。安心しましたわ。

あの山猿と、腹黒に捕まらなければ…もっと早く貴方の元にこれたのだけれど…


「貴方の気分が戻ったようで良かったわ。」

「それで、その介抱して下さった方というのわ?私もお礼を申し上げなくては…。」


「あー。確か、フィロス・インカ嬢とおっしゃられましたよ。ピンク色のふわふわした髪が印象的な、可愛らしいご令嬢でした。」


ー……なんですって?


「…?どうかされましたか?お嬢様?」


ー…フィロス・インカ…ですって…?


「お嬢…様?」


「ハンス。」

「はい。」

「貴方…。」

「はい?」

「何をヒロインとフラグ構築してるのよー!!!」

「はいぃいぃ!?」


  動揺のあまり、ハンスの襟元を掴み締め上げてしまいましたわ。

  何を勝手に、ヒロインとイベント起こしてらっしゃるの!?貴方モブでしてよ!?


 モブの癖に、ヒロインとフラグを立てるなんて…烏滸がましいにも程がありましてよー!!


「お嬢様…ヒロインではなく、フィロス・インカ嬢です…。」

「それと…フラグって何ですか??」


「だまらっしゃい!ハンス!!」


  貴方、そこそこのイケメンの分際で…ヒロインに介抱されるとは…しかも入学式のその日よ!桜舞い散る中のスチルとともに、触れ合う男女ですって!?


まごうことなき、フラグイベントでしてよ!?


  貴方…私が悪魔のような攻略対象イケメンどもに絡まれている間に、何をデレデレとのんきにイベントをこなしてらっしゃるの!?


はっ!


もしかして、此処は乙女ゲーならぬギャルゲー!?


ハンスが主人公で、私やフィロス・インカが攻略対象ですの!?


  幼馴染のツンデレ(攻略済)な私と、純粋天然癒し系のフィロス。そしてこれから出会う魅力的で愛らしい攻略対象(女性達)…。


 なんてことなの、私…すでにゲージMAXですわ。好意がカンストしてましてよ。寧ろプロポーズしまくりで、攻略の楽しみすら残っていませんわ!


なんてこと!?攻略の楽しみすら残っていない攻略対象なんて…相手になどしてもらえませんわ…まさに釣った魚に、餌は不要でしてよ!状態!


「ハンス…。」

「はい。」

「私…貴方に易々と攻略などされたり致しませんわ。」

「はい?」

「釣った魚だって、逃げ出す事もありますのよ?」

「はぁ。」

「…他のご令嬢に手をだしたら…私…ツンデレならぬヤンデレになりきる覚悟もありましてよ??」


「…」

「…」


これだけ脅しておけば、大丈夫ですわね。

勝手にハーレムなど構築させませんわ!

ハンスハーレム、断固阻止!


ハンスとヒロインは、近付けてはだめね。


徹底的に妨害よ!ハンスは、渡さなくってよ!ヒロイン!!



私が闘志に燃えているというのに…ハンスは、何故か可哀想な視線を向けながら、私を見つめるのですわ。



「…ヤンデレ?また、お嬢様がおかしな事を…一体何の呪文なんだ…。」



閲覧ありがとうございます。




ヤンデレは、呪文じゃありません。

いや?呪文なのか?

怖いなその呪文。

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