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基礎魔導原論 第4章 第3項

第3項 動詞の活用と発動


 呪文の要は動詞である。火を「成す」、流れを「止める」、傷を「癒す」――現象を導くとは、すなわち理に働きかけることであり、それを担うのが動詞だからである。


 動詞は、原形語尾 ‐i を次のように置き換えて活用する。これも例外はない。


 すなわち、いま成す「発動相」は ‐as(oras=光らせる)、すでに成した「完了相」は ‐is(oris=光らせた)、これから成す「未発相」は ‐os(oros=光らせるだろう)、成すならばの「仮定相」は ‐us(orus=光らせるなら)、そして「かく成れ」と命じる「命令相」は ‐u(oru=光れ)である。


 呪文の発動に用いるのは、基本的に命令相 ‐u である。これは詠唱者が理に向かって「かく成れ」と命じる形であり、第1章第3項に説いた、像へ向けて意思を方向づける働きを、もっとも端的に言い表す形だからである。


 そして、命令相の呪文を締めくくり、現象を世界へと放つために、文末に結句 amenアメンを置く。amen とは「かく成れ、成就せよ」を意味する、発動の言葉である。


oru amen (光れ/成れ)


eshi を点火の語根 hitsit(ヒツィト=火を点ず)に替えれば、hitsitu amen(点れ/成れ)となり、灯火一つを点す呪となる。


 初学の徒は、命令相と結句 amen を、まず一語の動詞のみで唱える稽古から入るがよい。oru amen、hitsitu amen――かくのごとき短き呪を、像を明瞭に結びつつ、過不足なく発動できるようになることが、すべての出発点である。


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