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基礎魔導原論 第1章 第1項

第1章 魔導とは


第1項 魔導の原理


 魔導とは何か。凡人においては、何もないところに火を生み出し、風を起こし、大地を隆起させ、濁流を生み出すかの如く万能の技のごとく理解されていることだろう。ときとして魔導ではなく、魔法や魔術、奇跡、呪術といった様々な言葉で語られてきたが、王国歴1203年に開催された、人類魔導管理機構の統一会議にて、われらが操る技のことを「魔導」とすることが定まったのである。もちろん人類魔導管理機構の名もその時に今の名に定まることにもなり、それまでには各国様々な名称で呼ばれていたのが、ようやく一つの組織としてまとまることにもつながったのである。


 統一会議での諸議論によって、私たちが扱うこの超常の技を魔導と呼びならわすことになったのは、端的に言えば「魔」によって、真理に基づき現象を「導」くからである。そこには法則があり、再現性があり、同じ手順を踏めば同じ結果が生まれるのである。真理を知るとは、その法則を調べだすことであり、魔導の研究の軸はいまだ知られざる法則をつまびらかにすることである。


 それでは「魔」とはなんであろうか。これも数多くの呼び方がされてきており、魔力、エナジー、マナ、気、聖力、呪力、法力等々、時代や文化によって様々あり、今でもいわれは残っているが、そのいずれも同一のものであることは明らかになっており、魔導の領域においては、魔力と言い慣わすのが一般的となっている。


 魔力は、万物に宿る力であり、この世の中にあるものであれば多かれ少なかれ持っている力である。例えば、道端に転がっている小石にも魔力は存在し、川の水、風といったものにすら魔力は帯びている。魔力の始原は、この世界が生まれ出でたとき、始原紳から分け放たれたものである。神話に曰く、天地がまだ定まらず、始原神ただ一柱が無窮の虚空に漂っていた時、一人あることに孤独を感じた始原神が、自身の体を9つに裂き、8人の子を生み、世界を創造していった。創造のとき生み出されたものは無から生まれ出でたのではなく、神の力を分けられる中で生み出でたものである。それゆえ、万物がそのものであることを定める力こそが今我々が魔力と呼びならわすものであり。我々が神によって生み出されたものであることの証左でもある。


 魔力はそのものがそのものであるものを定めている根源である。それは魔力のありようによっては、万物は転変するのである。魔導を端的にいうのであれば、自身のもつ魔力をして、外部の魔力を変じさせ、望む何かを得る技術の総称である。


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