↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

05話 雷帝の導き

「この辺りまでくれば大丈夫か」


 洞窟からある程度離れたところで、大樹の根に腰かけた。

 今後の為にも、雷帝スキルの確認をしておかなければならない。


 俺はこの世界の常識を知らなすぎる。


 例えば転生された時、初めて所持金を見たときはびっくりした。

 だが一つ疑問があった。


 このお金はどこに保管されているのか。

 襲撃に行く道中、ロイに聞いてみた話の一つだ。


 この世界では所持金がステータスに表示される。

 お金を使いたいときにはそう思うだけで、手の平から取り出す事が可能なのだ。

 驚いたのが、人のお金を奪おうと殺してしまうと所持金も命とともに消えるということ。

 なので他人から金を奪うということは難しい。

 ただし、奴隷の主人は強制的に持ち物を取り上げる事ができそうだ。


 奴隷にしてしまえばそいつの全てが手に入る。


 だからこそ奴隷にならない方法を考えなければいけないのだが、例え奴隷にさせられたとしても、不慮の事故などで主人が死んで解放される場合もある。

 また大きな街や都市などでは奴隷解放を謳っている組織などもあるようで、解放された後で生活に困らないよう、お金を貯める魔道具や銀行にある程度預けるのが一般的らしい。


 奴隷印を押すためのアイテム『奴隷鑑』はとても高額なうえに使用回数にも制限があるため、盗賊達も金を持っていると判断した人間以外は殺してしまうことが多いみたいだ。


 これからどんな奴と戦う事になるんだろうな。

 前世では普通に生きて、特に波乱もなくダラダラと毎日過ごしていたけど……

 一回死んでるんだし、この世界ではちょっとくらい無理してでも思いっきり生きていきたいな。


 とりあえず、雷帝のスキルを確認してみるか。

 500ポイントも雷帝スキルに振ったんだ。

 きっと、強いスキルまで覚えてるはずだろう。


 スキル欄を開き雷撃(デルタ・レイ)というスキルを使ってみる。


 雷撃か。

 雷みたいなものが出るんだろうか。

 何となく右手を空へかざしてみる。


「雷撃(デルタ・レイ)」


 右手の平に、魔法陣が浮かび上がった。


 何だこれ?

 俺は浮かび上がった魔法陣を確認しようと思い、手の平を返す。


 バチバチと音が響き渡った。


 まずい!


 目が眩むほどの光が発生した瞬間、手の平から稲妻が一直線に向かってくる。

 首を捻るが、稲妻の速度が早いうえに手と顔の距離が近すぎた。

 顔面で受け止めると、爆裂音とともに体ごと後ろへ吹っ飛んだ。


 ……ダメージはないな。

 常時スキル『避雷』のおかげか、俺に雷は効かなそうだ。

 それにしてもびっくりした。

 もっと慎重に調べていかないとダメそうだな。


 ゆっくりと起き上がり、他のスキルを試してみる。


『雷帝剣(ライズ・ソード)』


 しばらく待ってみるが、何も起きる様子がない。

 雷の剣とか出てくるのかと思ったんだけど、剣技とかなのかな?


 足元に小枝が落ちているのを見つけ、それを手に持ってみる。

 小枝の周りが黄色い光で覆われた。

 よく見ると、小枝の尖っている部分を覆っている光も形をなぞるように尖っている。


 物体に付与するスキルって事か。


 試しに尖った部分を木の幹にぶつけてみると、簡単に穴があいた。

 木の横にあった岩に叩きつけて見るが、今度は小枝が折れてしまい、手に持っている方だけが光で覆われている。


 まぁ所詮は小枝ってことか。

 ただこれを装備品に付与すれば、戦闘でかなり役に立ちそうだな。


 それから小一時間、上から順にスキルの効果を調べていった。

 雷帝のスキルも20個程覚えていたので全部試してみようと思ったのだが、10個目のスキルを発動させた時に空から落雷が発生し、目の前の大木が焼け焦げたのを見て、それ以降のスキルチェックをやめることにした。


 雷帝、恐るべし。


 一通り確認し終わり、ぐっと背筋を伸ばす。

 腹減ったな。

 まずは腹ごしらえをしたいところなんだが。


 そう思ったとき、背後から人の気配がした。


「誰だ?」

「あ! やっと見つけたぞ!」


 洞窟に置きざりにしたはずのロイが立っていた。


「あれ? お前あそこから出てこられたの? 奴隷って意外と自由なんだな」

「あのな……俺の主人もグラゴだから、もう奴隷じゃないぞ」


 あぁそうか。

 完全に忘れていた。


「そういやロイのステータス、天命が村人だったもんな」

「他人のステータスが見えるの?」


 ロイが驚いた顔をしている。


「奴隷から解放されたと同時に、色々と解放されたみたいだからな」

「壁に穴開けたのを見たとき、もしかしてって思ったけど、スキルが使えるの?」

「当たり前だろ。俺を誰だと思ってる?」

「名無しの奴隷だろ?」


 こいつ、完全に俺の事なめてるな。

 生意気な子供は好きじゃない。


「まぁとりあえずお前も奴隷じゃなくなってよかったな。元気に生きろよ!」

「いやいや! おかしいだろ! 一緒に逃げるんじゃないのかよ!」


 ロイが慌てた様子で俺に近づいてくる。


「何で一緒に行動する必要がある。俺はこれから忙しいんだ」

「俺子供なんだぞ? どっかの街にたどり着く前に死んじゃうぞ!」

「そうか。死んだらどこか他の世界に転生できるといいな」

「何訳のわからないこといってんだよ!」


 なかなか食い下がらないな。

 まぁ別にどっかの街までくらいなら構わないけど、うるさい奴って子供でも大人でも好きじゃないんだよな。


「カナタってレベル2以上あるの?」

「今は80だな」

「はっ……はちじゅう?!」

「そんな驚くことか? 結構これくらいのレベルの奴いるんだろ?」


 俺の予想だと数百万人はいるはずだ。


「いや、レベル80がたくさんいる訳ないだろ!」

「え? そうなの?」

「それこそ大昔、神話の時代にはたくさんいたって聞いたことはあるけど……」


 数百年前、まだ国境に結界がなかった頃、レベル100以上が大勢いたという伝説が残っているらしい。

 ただ結界が出来て以降、多少の紛争や魔物討伐はあれど大きな戦いなどはなく、日常で使用する程度のスキル以外は、冒険者や戦闘を職業にしている人間以外需要がなくなったのだ。


「じゃぁ、レベル80って結構凄いのか?」

「凄いどころじゃないよ! レベル50以上は王都の近衛兵として働けるって話があるくらいなんだぞ!」


 あれ?

 やっぱりあの女が言っていた事が色々と怪しいな。

 上位1%とか言ってたけど、数百年前の情報なのか?


 というか、もしかして俺の異世界チート生活……

 はじまっちゃった?


「それにしてもロイ、お前ただの村人なのにやけに詳しいな」


 ロイは落ち着きを取り戻したのか、俺のそばに腰を落とした。


「俺の婆ちゃんが魔士で、一時期は王都で働いてたんだ。たまに村に帰ってきたときに色々話を聞かされた」

「王都で働いてたってことはそれなりに強いのか?」

「婆ちゃんの場合は特殊なスキルを持ってたみたいだけど、その辺は知らない」


 王都に呼ばれる程の魔士ってことは、色々知ってそうだな。

 ロイに詳しい話を聞くと、今はグレイスって街に住んでるらしく、ここから行けない距離でもないらしい。


「教えてくれてありがとな。俺はグレイスに向かうから、またどこかで会おう」

「だから何で置いてくんだよ!」

「冗談だって。ひとまず、その婆さんのとこまでは送っていってやるよ」


 今はまだ何をすれば、どこに行けばいいのかもわからないからな。

 情報を得られそうなところに行くしかない。

 そうと決まれば、盗賊達に嗅ぎ付かれる前に出発するか。


 俺が歩き出そうとすると、ロイが怪訝そうな顔をした。


「今いる場所の、正確な位置とかわかるの?」


 ……全くわからない。

 俺はどこに向かおうとして歩きはじめたのか。


「どうすればいい?」

「ほんと、カナタがレベル80とかまだ信じられないな……。スキルで作られた地図があれば簡単に移動はできるけど、勿論俺はもってないぞ」


 そうなると、思い浮かぶ事がある。

 村へ襲撃に行くとき、迷いなく歩いていたあいつらなら持ってるんじゃないだろうか。

 

 ついに初陣か?

 恐怖はない。

 むしろ高揚感からか、口元が緩む。


「ロイ、襲撃の時間だ」


 ----山の中を歩く2人


「カナタ、ほんとに行くのか? 殺されるかもしれないぞ」

「まぁ大丈夫だろ。危ないと感じた時は逃げる」


 不安そうな顔で、ロイが俺の後ろを歩いている。


「少し不安があるとすれば、どういう技なのかわからないスキルがあることだな」

「スキルの説明読めばいいだろ?」


 その言葉を聞いた瞬間、物凄い速度で振り返る。

 あまりに急に体を向けたので、驚いたロイがその場に尻もちをついた。


「スキル説明があるのか?」

「3秒くらいスキル名に触れてみなよ。……いてて」


 すぐさまスキル欄を開き『雷撃(デルタ・レイ)』に触れ続けてみる。


 雷撃(デルタ・レイ):任意の場所から放電


 まじかよ。

 俺の苦労は一体……

 ともあれ、さっきは無意識に右手を意識してたってことだろうな。

 練習がてらもう一回やってみるか。


 3メートル程離れた空中に意識を集中する。


「雷撃(デルタ・レイ)」


 空中に魔法陣が浮かびあがる。

 そこから直線に伸びた稲妻が大樹にあたり、接触した部分が大きな音を立てて爆発する。


「すげぇ。ほんとにカナタ、スキルが使えるのか」


 ロイは目を丸くして、黒煙が上がるのをただただ見続ける。


 洞窟に付く前に一通りスキルの確認をしておくか。

 それにしても、スキルの説明も結構雑じゃない?


 俺が歩きだすとロイは慌てて立ち上がり、小走りで追いかけてきた。


 スキルを次々と確認していく。


 ほぼどういったスキルか理解したけど、覚えてないスキルに関しては説明見れないんだな。

 そうなると、スキルポイントをどう割り振るかは悩むな。


 洞窟の入り口が見下ろせる、山の高台まで登ってきた。


「ここは見晴らしがいいなー」


 盗賊の様子を伺うが、静かだ。

 俺達が部屋を出たことに、まだ気付いてないのかな。

 だとしたらちょうどいい。

 不意打ちで一発ぶっ放してやろう。


「ちょっとカナタ?! 何するの?」


 俺の足元に魔法陣が浮かび上がるのをみたロイが、慌てて俺を止めようとする。


「まぁ見てろって」


 俺は両手を前に突き出す。

 俺が覚えている中で、一番魔力消費量が多いスキル。


 雷帝の導き(エヴァン):天空からの一撃


 名前もかっこいいし、何より消費魔力が1500!

 やっぱり初撃は一番強いスキルを使わないとね!


 ただ説明がやっぱり雑だよな。

 多分空から雷でも振ってくるんだろう。

 

 そう思いながらも、もし洞窟が崩れて地図の回収ができなかったらという不安もあったので、少しずらした位置に放つことにした。


 さぁ! 俺の初陣、華々しく飾ってくれよ!


 手をかざした先にある、盗賊団アジトのはるか上空に、足元と同じ魔法陣が描かれた。


 ……あれ?

 なんか様子がおかしい。


 魔法陣が出現したことに驚きはない。

 問題があるのはその大きさだ。


 ……200メートルくらいあるんじゃない?


 一閃。


 巨大な光の柱が雷鳴を轟かせ、凄まじい速度で大地へと突き刺さる。


 光が落ちた場所には地面以外何もない。


 山をえぐり取ったような跡だけが残った。


 ……やっぱり、使ってみるまでわかんねぇ。


 今後はより慎重にスキルを使おうと心に決めた。


ブックマークがさらに増えました!

ありがとうございます!


情景描写とか言い回しが下手すぎてすみません!

これから少しずつ勉強して読みやすい作品にしていけるよう頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。