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02話 名無し

 

 転生先がまさか奴隷だなんて、思っていなかった。

 そもそもレベル80の奴隷ってなんだよ。

 俺のレベルとか、ばれたら死ぬまでいいように使われるんじゃないか?

 とりあえず、まずはこれからどうするか。情報が色々欲しいところ何なんだが。


 今後の方針を考えていると、ドアの方から何やら声がしてくる。


「部屋の空きがねぇ。てめぇはここに入ってろ!」


 勢いよく扉が開くと、いかにも悪人顔をした奴が少年を部屋に投げ込んだ。

 少年は床に叩きつけられてピクリとも動かない。

 投げ込んだ奴は、その様子を見るとすぐさま扉を閉めてどこかにいったようだ。


 扉がしまると少年は体を起こし、ボロボロのシャツから何かを取り出そうとしていた。

 手に持っていたのは見るからに腐っているパンだ。

 それを手に取ると、勢いよくパンにかじりついた。


 一応こいつから色々聞いてみるか。


「おい。お前大丈夫か?」

「お前じゃない! ロイだ! お前見たいな名無しと一緒にするな!」


 パンをかじりながら、こちらを睨みつけてくる。


「あぁ。悪かったロイ。それで大丈夫か?」

「当たり前だろ。これくらいでどうにかなるもんか」

「ならよかった。それよりも、俺の事を名無しっていうのは?」

「お前名前あんのか? 生まれたときから奴隷なんだろ?」


 生まれたときから、だと?

 転生は確か成人の18歳の人間って言ってたよな?

 ってことは俺って18年間も奴隷やってんのかよ!

 ほんと、俺が転生される前の人間、よく今まで生きてこれたな……


「まぁなんだ。 名付けられた名前はないが、一応自分の事はカナタと呼んでくれ」

「自分で自分に名前付けたのか? 変なやつだな。」

「まぁ俺は変わってるんだ。ロイは奴隷長いのか?」

「9歳の時に奴隷になって、今年で3年くらいかな」

「外で暮らしていたこともあるのか。俺は生まれた時から奴隷で何も知らないんだ。色々と聞いてもいいか?」


 最後のひとかけらを飲み込むと、ロイはどうぞと両手の平を向けてきた。


 ロイは元々小さな村で生活をしていたが、盗賊の襲撃を受け、その時に捕らえられた。

 俺がいるこの場所は盗賊団の住処で、王都の遥か東側となる。

 ロイは元々の天命は村人だったが、奴隷になると天命が上書きされてしまうらしい。

 つまりどんな天命を受けていようが、奴隷になると強制的に天命が奴隷に変わるということだ。


 俺は奴隷から解放されたときに、本来の天命が表示されるのか。

 まぁ一生奴隷じゃないってわかっただけでも気分が晴れるな。


 奴隷にも2種類の奴隷があり、自由を許された奴隷と、全てのスキル利用をできなくしたり、行動に制限をかけられた奴隷がいるそうだ。

 俺は勿論、後者の奴隷。


「ちなみにどうやったら奴隷になるんだ?」

「アイテムで魔力を込めた奴隷印を押されたりとかかな。でも相手のレベルが自分より高いやつとか、奴隷になる意志がないやつには効かないから、そういう奴は高度なスキルとか使われるみたいだけど」

「奴隷になった後でレベルが上がったり、意志が強くなったりしたら?」

「一回奴隷になっちゃったら意味ないね」

「奴隷から解放される方法とかはないってことか?」

「主人が死ぬか、あとは王都とかだと聖女が強制解放させるスキルを持っているって噂があるかな」


 つまり、俺が奴隷から解放されるには主人を殺さないといけないのか。

 ただ奴隷は主人の命令には逆らえないし、直接的に主人を殺そうとする行動はとれない。

 誰かに頼むというのも、この状況だと難しいな。

 その辺は、少し考える必要がありそうだ。


「色々と教えてくれてありがとうな」

「いいけど、カナタこそ大丈夫かよ? お前今にも死にそうだな」


 そういわれ、何のことだろうと体を確認する。

 俺は自分の姿に驚愕した。

 ロイよりもボロボロなシャツにズボン。腕はガリガリにやせ細っていて痣や傷だらけだった。

 生まれた時から、ずっとろくな食事などとっていなかったのであろう。


 自分のやせ細った両手の平を顔の前まで上げる。

 骨と皮しかないな。

 ふと手を裏返すと、右手に何か紋章のようなものが入っている。


 「これは?」

 「それが奴隷印。右手に紋章があるやつは奴隷の証だな。」


 転生前の俺、本当に可哀そうなやつだな。

 生まれた時から奴隷っていうことは、奴隷の女が身ごもったってことか?

 俺は転生した前の人間の事を考え、これからは健康的な体でいてやりたいと思った。


「まぁ大丈夫だ。俺のレベルとかみたらわかるだろ?」

「は?他人のレベルなんかわかるかよ。それに名無しのやつはレベル1以外ありえないって」


 ん?そういえばロイのレベルだとかステータスって見えないな。


「他人のステータスってどうやってもわからないのか?」

「一定以上のレベルになると、相手のステータスをみるスキルとかもあるみたいだけど、同時にステータスを隠すスキルもあるって聞いたことがある。まぁ俺らには一生関係ない話だな」

「じゃぁ自分の身分とかってどうやって証明するんだ?」

「お前本当に名無しなんだな。登録証を作れば自分のステータスがリアルタイムでカードに表示されるんだよ。でかい街とかあとはギルドとかでも発行できる。常識だぞ?」

「外の世界については何もわからなくてな。ありがとう」

「まぁ今は暇だしいいけど。夜には村に行くってさっきあいつらが言ってた。今夜は忙しいだろうし、俺は少し寝るぞ」

「村に行くと忙しいのか?」

「頭大丈夫か?あいつらが村に行くって言ったら襲撃にきまってるだろ。俺らは、それの後かたずけだろうさ」


 あぁそういうことか。

 俺は今後の方針でも考えようと横になり、天井を見つめる。


 他のみんなもきっと、今頃苦労してるんだろうな。

小説を書くのは人生始めてなので、書き方としておかしい点ばかりだと思います。


誤字・脱字等なんでも思う箇所があればご指摘頂けると幸いです。


また、面白いと思って頂けたら☆評価を頂けると嬉しいです。


よろしくお願いします。

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