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運命の恋に布石を

スザンナは皆からの印象が良く、満場一致の推薦を得て、二次選考へ進むことが決定した。


エノーラと関わりたくない私は、2人とも早く帰ってほしいと願ったが、それこそ公私混同だ。


個人的な事情を抜きにして考慮すれば、スザンナにはイチゴ大使の適正を感じる。

マークス様の元カノ、フィリス嬢と張り合うのではないかと思う。


フィリスはふんわりと甘ったるい愛くるしさがあり、スザンナはすきっとした清涼感のある爽やかさがある。

違ったタイプだが、どちらも苺のイメージに似合うと思う。


地元貴族であるフィリスの方が有利だろうが、庶民のスザンナが優勝すれば「無名から一躍スターに!」というドラマチックな展開だ。

私の求めていたシンデレラストーリーだ。話題性の塊。


個人的な感性でスザンナに好感を抱いたのは事実だ。

付き添いの親友がエノーラで、そのエノーラが私の人生の鬼門だという点を除けば、スザンナの合格に反対する理由はなかった。


というわけで、満場一致の推薦を得たスザンナは2週間後の二次選考――公開型のコンテストに出場する。

なんてこった。

他の貴族令嬢には侍女が付き従っているため、エノーラも付き人としてスザンナと一緒にいることが承諾された。


二次選考のコンテストでは審査員から外れることが決まっていて良かったと、心から安堵した。

なるべく表立って目立たないようにして、あの2人に関わらないようにしよう。


そう思って、はたと気付いた。

二次のコンテストでスザンナが優勝せず、イチゴ大使に任命されなければ問題ない。

残念だが、エノーラと仲良く手を取り合って田舎へ帰るだろう。


だけどもしスザンナが『リズ姫の初恋』大使に選ばれたら?

任務をこなすために、当分この地へ留まるんじゃないだろうか。

もしかしたら、こっちへ移住するとか?

もしかしたらエノーラも一緒に。


もしスザンナが『リズ姫の初恋』大使になれば、二次選考会の審査員からは外れても、そもそもこの企画の言い出しっぺは私なのだから、嫌でも関わりを持たざるを得ない。

エノーラも関わってくるかもしれない。


ヒロインとの避けられない接点。

これも回避できない宿命というものか。


あれ? でも、ちょっと待って。

よく考えると、エノーラを避ける必要ってないのかも。

だって今の私はパーシーの妻ではない。

まだパーシーとは結婚していないし、10日後に差し迫っているお見合いで悪印象を与えて、破談しようと目論んでいるんだもの。


そう、もう10日後だ。

憂鬱なので頭の片隅にやりすぎていたが、思い出して、はっとした。

エノーラはスザンナの付き人として、コンテストまでリズノールに滞在する。

ここへパーシーもやって来るのだ。


それならもういっそのこと、2人を出会わせちゃえば良くない?


パーシーが私と結婚をした後にエノーラと出会い、運命の恋に落ちてしまうから、いけないのだ。

独身同士で出会って恋に落ちてくれれば、何ら問題ない。

物語的には山も谷もなくなってしまうが、実際問題、私は読者を楽しませるために生きているわけではない。


ヒロイン、ヒーローよ、どうか最短イージーモードでハッピーエンドをお迎え下さい。私の人生を巻き添えにすることなく、どうぞお幸せに!


そうと決まれば、パーシーに会うのが俄然楽しみになってきた。身勝手な私だ。


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