pege.8
投稿遅れ酷し。ごめんなさい。美琴はわるいこ。いつも通り短い。
7/6日、突然のことだった。
美琴が、家に来たのだ。まるで、何もなかったみたいに。
「しーちゃん!部活行こーよ!」
「……へ?」
完全に、いつもの美琴だ。
「しーちゃん、ごめんね。感情的になりすぎた…」
「…ううん、そんなことは…」
本当は、怖くて仕方がなかった。でも、前に戻れたようで、余計なことを言ってそれを壊してしまう方が、怖かった。
とにかく今は、美琴がいつも通りになったことを、素直に喜んだ。
「律って、シオンちゃんと付き合ってたのか?」
空叶は、そのことが気になって眠れず、この日の朝もずっと考え続けていた。イライラだけが募って、答えは見えないままだ。そんなとき。
「先輩!好きです!付き合ってください!」
告白された。今まで、後輩としか考えていなかった相手。佐古田美琴だった。
「あの」
「先輩、知ってます?…詩織と律くんの関係。」
「!」
「実は…付き合ってるんですよ。あの二人。中学入った頃から。私、律くんのこと好きだったんですけど、振られちゃって。先輩も、同じでしょう?」
「………。」
「私は、詩織の代わりだと思っていい。だから、付き合ってください。嫌なこと、忘れさせてあげます。」
空叶は、ショックが大き過ぎて、何も考えられなくなっていた。
「いーよ。」
空叶と美琴の歪な関係が、始まった。
美琴は、いつになく楽しそうだった。なにか、嬉しいことでもあったのだろう。雰囲気でわかる。
「美琴。なにかあったのか?」
美琴はよくぞ聞いてくれたという顔をする。
「ふっふーん。聞いて驚け!…私、空叶先輩と付き合うことになっちゃった!」
心に、何かが引っ掛かった。何でなのか、分からない。親友に彼氏ができた。嬉しいことなのに…
「…あれ、反応うすーい。どうしたの?」
詩織はあわてて答える。
「あー!そうなんだ!ついにかー…良かったじゃん!ちょっと、元旦那は悲しいけどさ。」
「安心しなさい!夫婦仲は永遠だから!」
「…それ、浮気だよ…」
アハハ、と二人で笑う。
どろどろした感情が、バレてしまわないように。
その日の部活で詩織は、調子がとても悪かった。全く、シュートが入らず、おまけに、試合ではパスミスやトラベリングばかりだった。
「しーちゃん?どうしたの?今日、なんか調子悪いね。何かあった?」
「…何でもないよ…」
「うっそだあ。絶対なにか…」
「あんたに何がわかるのよ!!」
言ったあと、はっとした。とっさに「ごめん。」と謝り、その場から逃げ出した。
(なにやってんだ。私…。私が気にすることじゃないのに…)
なんだか情けなくなって、涙が出てきた。
「ほんと、何がしたいんだか…」
同じ時、同じことを思っている人がいた。
「何やってんだ。…俺……」
空叶は、後悔していた。美琴の告白を受けたことを。自分で言ったことだ。悩む必要はない。そうだ、何も、間違ってはいないだろう。
(もう、いいか。)
「俺は、シオンちゃんを律から奪えるほど、我が儘になれないし…俺は、間違ってない。」
空叶は、そう自分にもう一度言い聞かせた。
完璧王子様どこ行った…。




