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第十三話「セキネさんからの報告」

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は「セキネさんからの報告」ということで、少しだけ状況が動きます。


日常の中にあった安心が、少しずつ外側から揺らされ始める、そんな回です。


ただ、それでもこの城の空気は変わらないし、みんなの関係もちゃんとそこにあります。


そのあたりの「変わらないもの」と「動き出すもの」、両方を感じてもらえたら嬉しいです。


第十三話「セキネさんからの報告」


 三日後の夜、メッセージが来た。


 セキネさんからだった。


 いつもより長かった。文字を読んだ。


「調べた。リナは今、施設の特別区画にいる。外との連絡が遮断されている。食事と訓練は続けているらしいが、担当者が変わった。前の担当者は異動させられた。これ以上は俺も近づけない」


 それだけだった。私はしばらくその文字を見ていた。


 リナが隔離されている。担当者が変わった。それだけでも、IMIが本気で動いているとわかる。でも、まだそこにいる。それだけは確かだ。


 私はセキネさんに返信した。


「ありがとうございます。気をつけてください」


 返信は来なかった。それでよかった。今夜はそれだけで十分だ。


 廊下に出たら、ほのかがいた。


「どうしたの、こんな時間に」


「セキネさんから連絡がありました」


「リナのこと?」


「そうです」


 ほのかが少し顔を引き締めた。


「どうだった」


「特別区画にいます。連絡が遮断されてる。でも、まだ書き換えはされていない」


「まだ、ということは」


「時間がある、ということです」


 ほのかが少し間を置いた。


「助けに行く感じ?」


「準備が整えば」


「私も行く」


「わかってます」


「当然のことだから言ってる」


「わかってますよ」


 ほのかが少し笑った。


「カノンって、なんか変わらないよね。こういう時でも」


「そうですかね」


「焦ってない感じがする」


「焦ってないわけじゃないですよ。でも、焦っても状況は変わらないので」


「そういう考え方、どこで身につけたの」


「最初からそうだったかもしれません」


「深く考えないから?」


「そうかもしれません」


「羨ましい。私は考えすぎていつも空回りするから」


「でも、考えてるから気づけることがあります。私が気づかないことを、ほのかが気づいてくれることが多いですよ」


「そう?」


「そうですよ」


 ほのかが「まあいいか」と言った。


「おやすみ。明日、ちゃんと話し合おう。みんなで」


「はい。おやすみなさい」


 ほのかが部屋に戻っていった。廊下が静かになった。


 明日、みんなで話し合う。それでいい。今夜は、ここまでだ。


 ✦


 翌朝、ベルフェゴールに報告した。


「セキネさんから連絡が来ました」


「内容は」


「リナが施設の特別区画にいます。外との連絡が遮断されていて、担当者も変わった。セキネさん自身、これ以上近づけないと言っていました」


 ベルフェゴールが少し間を置いた。


「担当者が変わった、というのが気になる。それは管理を強化したということだ」


「IMIが本気でリナを確保しているということですか」


「そうだ。おそらく、何らかの調整を行う準備をしている」


「調整というのは」


「記憶や意識に関わる処置だ。具体的に何をするかは、俺にもわからない。ただ、担当者を変えてまで囲い込んでいるのは、それだけの何かがあるからだ」


「早く動かないといけないということですか」


「動けるなら、そうだ。ただ」


 ベルフェゴールが地図を見た。


「今の状況でIMIの施設に乗り込む戦力はない。サクラが情報を持っているかもしれないが、まだ信頼関係が確立していない」


「セキネさんが動いてくれています」


「あの男一人で動けることには限界がある。見つかれば終わりだ」


「わかっています」


「わかっているなら、今必要なのは何だ」


「情報と、内部の協力者です」


「そうだ。セキネがいる。サクラがいる可能性がある。あとは、お前たちが動けるだけの状況を作ることだ」


「どうすれば作れますか」


「サクラに話を通せ。次に来たとき、正直に状況を話して、協力を求めろ。断られるかもしれない。でも、聞かないよりはいい」


「話します」


「ただし、期待するな。あの人間がどう判断するかは、俺にはわからない」


「わかりました」


 ベルフェゴールがお茶を飲んだ。


「今日のところは、レナに伝えるかどうか決めろ。俺は反対しない。ただし、伝えた後のことを考えてから動け」


「どういうことですか」


「レナが聞いたら、動こうとするかもしれない。一人で、あるいは感情的に。それを止められるか」


「止めます」


「根拠は」


「レナがそういう人だから。感情的に動くより、考えてから動くタイプです」


「……そうかもしれない。ならば、伝えていい」


「ありがとうございます」


「感謝しなくていい。合理的判断だ」


「でも、ありがとうございます」


 ベルフェゴールがため息をついた。でも今日はため息が短かった。


 ✦


 レナを中庭のベンチに呼んだ。


 朝の中庭は静かだった。石畳に朝の光が当たって、小さな花が少し輝いてた。


「話があります」


「はい」


「セキネさんから連絡がありました。リナのことです」


 レナが少し背筋を伸ばした。


「聞かせてください」


「施設の特別区画にいます。外との連絡が遮断されています。担当者も変わりました」


「……どういう意味ですか」


「監視が厳しくなっているということだと思います。セキネさんはこれ以上近づけないと言っていました。中で何が行われているかは、わかりません」


 レナがしばらく黙った。


「お姉ちゃんは、今もお姉ちゃんですか」


「わかりません。でも、まだそこにいます。それだけは確かです」


「いつまでかはわかりませんか」


「わかりません。でも、まだ時間はあります」


 レナが花を見た。朝の光の中で、小さな花がゆれた。


「助けに行けますか」


「今すぐは難しいです。IMIの施設の情報が足りない。戦力も足りない」


「足りるようになりますか」


「なるように動きます」


 レナが少し間を置いた。


「一人で行ったらだめですか」


「だめですよ」


「なんで」


「一人で行ったら確実に捕まります。捕まったら、レナもリナと同じ区画に入れられる。そうなったら、二人とも助けられなくなります」


 レナが少し考えた。


「……そうですね」


「レナがここにいることが、リナを助ける条件の一つです。レナが安全な場所にいれば、セキネさんも動ける。サクラさんも動きやすい」


「私が動かない方がいいということですか」


「今は、待つことが一番の動きです」


 レナが花を見た。しばらく、何も言わなかった。


「つらいですか」と私が聞いた。


「つらいです」とレナが言った。


「そうですよね」


「でも、カノンさんの言うことは正しいと思います。一人で動いても何もできない。それはわかってます」


「うん」


「でも、待ってる間に何かされたらって思うと」


「そうですね」


「怖いです」


「怖いですよね。私も怖いですよ」


「顔に出ないですね」


「深く考えてないからかもしれません」


「羨ましい」


「深く考えすぎない方がいいことも、深く考えた方がいいこともあります。今はレナが考えてくれてるので、私が考えなくていいんです」


 レナが少し笑った。


「役割分担ですか」


「そういうことです」


「面白い考え方ですね」


「みんなそれぞれ違う考え方をしてますよ。レイはクッキーで解決しようとするし、ほのかは笑って場を変えようとするし、アスタロトは槍を持って解決しようとするし」


「ベルフェゴールさんは?」


「椅子を持って解決しようとします」


「椅子を?」


「毎晩椅子を持って廊下を歩いてます」


「なんでですか」


「わかりません。でも毎日そうです」


 レナが笑った。本当に笑った。さっきより軽い笑い方だった。


「なんか、みんな変ですね」


「そうですよ」


「でも、いいですね」


「そうですよ」


「カノンさん」


「はい」


「正直に言ってくれてありがとうございます」


「当然ですよ」


「隠そうと思えば隠せたはずです。でも、話してくれた」


「レナが知る権利があります」


「それを言ってくれる人が、IMIにはいなかったです」


 私は少し間を置いた。


「ここではみんながそうですよ。ベルフェゴールさんも、今日の話し方を決める前に、まずレナに伝えろと言いました」


「ベルフェゴールさんが?」


「そうです」


 レナが少し目を丸くした。


「怖そうな人なのに」


「怖そうで怖くない人です」


「この城の人、全員そうですよね」


「そうですね」


 レナが立ち上がった。


「待ちます。待つことが今できる一番のことなら、待ちます」


「ありがとうございます」


「でも」


「でも?」


「動けるようになったとき、一緒に行かせてください」


「もちろんです」


「約束ですよ」


「約束します」


 レナがうなずいた。それから少し笑った。


「お姉ちゃんがここに来るの、楽しみにしてますので」


「来ますよ」


「根拠は」


「リリスがかわいいので」


 レナが笑った。


「それがカノンさんの全部ですよね」


「全部じゃないですけど、最初はそれでした」


「最初がそれなら十分だと思います」


「そうですね」


 二人で城に戻った。


 ✦


 食堂に戻ったら、ほのかとレイがいた。


 二人とも普通の顔をしてたけど、私たちを見て少し顔が変わった。


「話したの?」とほのかが聞いた。


「話しました」


「レナ、大丈夫?」


「大丈夫です」とレナが言った。


「本当に?」


「本当に。動けるようになったら一緒に行くって約束してもらいました」


「じゃあ私も行く」


「私も」とレイが言った。


「私も行きます」と私が言った。


 レナが「みんなで行くんですか」と言った。


「みんなで行きます」


「さすがに多くないですか」


「多い方がいいですよ」


「なんで」


「みんながいれば、どんなことが起きても対応できます」


「そんな根拠で」


「十分な根拠です」


 ほのかが「カノンの根拠はだいたいそんな感じ」と言った。


「でも、毎回なんとかなってるじゃん」


「そうですね」とレナが言った。


「なんとかなりますよ」と私が言った。


「根拠は」


「今までそうだったので」


 ほのかが「それで納得するのが癖になってきた」と言った。


 レナが笑った。


 レイが静かに「……クッキー食べる?」と言った。


「食べます」とレナが言った。


「……食べると落ち着く」


「そうですね。ありがとうございます」


「……あとで泣きたくなったら言って」


「え?」


「……泣いていい。ここには人がいる」


 レナがしばらく黙った。


「ありがとうございます」


 レイがクッキーを渡した。レナがかじった。


「おいしい」


「……でしょ」


 なんか、よかった。


 こういう場面が、今の城にある。


 ほのかが「ところでさ」と言った。


「はい」


「お姉ちゃんを助けに行く、って話、アスタロトとベルフェゴールも来てくれるの?」


「一緒に来てくれると思います」


「なんで」


「リリスを守るためなら動く人たちなので。リナが来れば、リリスがもっと安全になります」


「なるほど」


「メフィストも情報面で動いてくれます」


「みんな参加するじゃん」


「そうですね」


「なんか、すごいチームだな」


 レナが「そうですよね」と言った。


「最初は魔王と裏切り者の魔法少女、みたいな話だったのに」


「今は?」


「今は、普通のチームです」


「普通のチームって、これが普通なんですか」


「普通じゃないですけど、私たちには普通です」


 ほのかが「それでいいんだよ」と言った。


「そうですね」とレナが言った。


「うん」とレイが言った。


 クッキーがおいしかった。


 翌朝、食堂でみんなに話した。


 アスタロトも、ベルゼバブも、メフィストも来てた。ベルフェゴールも椅子を持って座ってた。


「セキネさんからの報告を、みんなに伝えます」


 全員が向いた。


「リナは施設の特別区画にいます。外との連絡が遮断されていて、担当者も変わりました。中で何をされているかはわかりません。でも、まだそこにいます」


 しばらく、食堂が静かだった。


「動くなら早い方がいい」とベルフェゴールが言った。


「そうです」


「サクラとの連絡はどうする」


「次に来たとき、正直に話して協力を求めます」


「断られる可能性は」


「あります。でも、聞かないよりはいい」


「そうだな。他に動けることは」


「セキネさんが施設の情報を集めてくれています。メフィストさんが魔力面から分析を続けてくれています」


 アスタロトが「俺は戦力として動く。いつでも準備はできている」と言った。


「ありがとうございます」


 ベルゼバブが「私は皆さんのサポートをします。何かあればすぐに言ってください」と言った。


「ありがとうございます」


 リリスが「……わたしも、がんばる」と言った。


「リリスは安全なところにいてください」


「……でも」


「リリスが安全でいてくれることが、一番の力になります」


 リリスがしばらく考えた。


「……わかった。でも、まほう、れんしゅうする。つよくなる」


「それは大歓迎です」


「……うん」


 ベルフェゴールが「では、それぞれの動きを整理する」と言った。


 具体的な話し合いが始まった。


 私はその中にいながら、なんか、いいチームだな、と思った。


 魔王と裏切り者の魔法少女から始まって、今はこうなってる。


 それだけで、十分だった。


 ✦


 午後、メフィストに呼ばれた。


「セキネの連絡を聞いた」


「ベルフェゴールさんから?」


「そうだ。担当者が変わった、という点が引っかかる」


「聞かせてください」


「担当者が変わったのは、前の担当者では対処できなかったからだ。リナの魔力は高い。扱いにくい」


「それがIMIを遅らせているということですか」


「おそらく。リナは強い。それが時間を生んでいるかもしれない」


 私は少し間を置いた。


「リナらしい」と思った。考えて、確認して、それから動く人だから。無意識でも、抵抗する。


「IMIが何をしようとしているかは、まだわからない。ただ、急いだ方がいい、ということは確かだ」


「そうだ。急いだ方がいい、ということだ」


「サクラさんに協力を頼めますか」


「あの人間が動くかどうかは、お前にしかわからない」


「私が聞いてみます」


「セキネの情報とサクラの情報を合わせれば、施設のどこにリナがいるか絞れる。あとは入る方法だ」


「サクラさんが内側から手引きしてくれれば」


「全然違う。正面から乗り込むのと、内部に協力者がいるのでは、難易度がまったく違う」


「サクラさんは動いてくれると思います」


「なぜ思う」


「元気でいてください、と言って帰る人だから」


 メフィストが少し間を置いた。


「……そういう根拠か」


「そうです」


「合理的ではないが、まあいい」


「ありがとうございます」


「お前には礼を言われ慣れた。もう言わなくていい」


「でも、ありがとうございます」


 メフィストがため息をついた。


「早く動け。時間がある間に準備しろ」


「わかりました」


「一つだけ言っておく」


「はい」


「カノン、お前の構造についての調査は続けている」


「そうですか」


「答えは出ていない。でも、お前の魔力はリナより更に高い。もしIMIがお前に何かしようとしても、おそらく手が出せない。お前の魔力はそれほど根本的に違う」


「それはどういう意味ですか」


「お前は、IMIが手を出せない存在かもしれないという意味だ。詳細はわからない。でも、覚えておけ」


 私は少し考えた。


「それはいいことですか」


「わからない。でも、今は役に立つかもしれない」


「わかりました」


「帰れ。続きはまた話す」


「はい。ありがとうございます」


「礼は」


「でも、ありがとうございます」


 メフィストが静かにため息をついた。


 ✦


 夜、リリスを寝かしつけながら考えた。


 リナがまだリナでいる。


 でも時間がある。多くはない。


 メフィストが「お前は手を出せない存在かもしれない」と言った。なぜそうなのかは、まだわからない。


 サクラさんに頼まないといけない。次に来たとき。来てくれるかな。来ると思う。元気でいてください、と言って帰る人だから。


 今日、レナに話した。レナは待つと言った。約束した。ほのかとレイも来ると言った。


 みんなで行く。


 根拠はそれだけで、でもそれだけで十分な気がした。


「……かのん」


 リリスが言った。


「います」


「……レナ、なんかかなしそうだった。でも、がんばってた」


「そうですね」


「……お姉ちゃんのこと、きいたから?」


「そうです。でも、ちゃんと話してくれました」


「……レナ、つよい」


「強いですね」


「……お姉ちゃんも、つよいの?」


「強いですよ。リナは、すごく強い人です」


「……あいたいな」


「会えますよ」


「……ほんとに?」


「本当に」


「……かのんがいうから、ほんとにそう思う」


「ありがとうございます」


「……うん。かのん、がんばって」


「がんばります」


「……わたしも、がんばる」


「何をがんばるんですか」


「……まほう、れんしゅうする。みんながたたかうなら、わたしもつよくなりたい」


「どうして」


「……まもりたい。かのんと、みんな」


 私の心臓がまたやばかった。


「ありがとうございます」


「……うん。おやすみ、かのん」


「おやすみなさい、リリス」


 リリスが眠った。今日は九秒かかった。


 考えてたんだと思う。


 窓の外の暗紫色の空。星みたいな光が浮かんでた。


 リリスがまもる、と言った。


 小さい手のひらで、あの小さな体で、それでも守ると言った。


 がんばって、とも言った。


 そんなに重くない言い方だったけど、ちゃんと届いた。


 みんなで行く。みんなで帰ってくる。


 それだけでいい。それだけで、十分だった。


 ✦


 就寝前、廊下でアスタロトに会った。


 いつもの巡回の時間だった。


「カノン」


「はい」


「今日の話し合い、よかったと思う」


「そうですか」


「みんなの役割が整理された。方向が決まると、動きやすくなる」


「そうですね」


「一つだけ聞いていいか」


「はい」


「お前は、怖くないのか」


「何がですか」


「IMIに乗り込む話だ。向こうは組織だ。こちらは人数が少ない。捕まれば全員危険になる」


「怖いですよ」


「顔に出ない」


「深く考えてないからかもしれません」


 アスタロトが少し間を置いた。


「……それでいいのか、と思うこともある。でも、お前を見てると、それが強さなのかもしれないと思う」


「どういう意味ですか」


「恐れを持ちながらも動ける人間と、恐れを感じない人間がいる。お前は後者かと思っていたが、違うのかもしれない」


「恐れはありますよ」


「では、どうして動ける」


「リリスがいるので」


 アスタロトが少し間を置いた。


「……そうか」


「それだけです」


「それだけで十分か」


「十分です」


 アスタロトが少し頷いた。


「……俺も同じだ。リリス様がいるから動ける。守るべきものがあれば、恐れは小さくなる」


「そうですね」


「お前が来てから、城が変わった。リリス様が変わった。俺も少し変わったかもしれない」


「どう変わりましたか」


「……以前は、守ることだけ考えていた。今は、ここをよくすることも考えている。守るだけじゃなく、育てる、という感覚が出てきた」


「それはいいことですね」


「そうかもしれない」


 アスタロトが歩き始めた。


「おやすみ」


「おやすみなさい」


 アスタロトが廊下の奥に消えた。


 育てる、という感覚。


 なんかいいな、と思った。


 守るだけじゃなく、育てる。


 ここにいるみんなが、そういう気持ちを持ち始めてる。


 リリスも、みんなも。


 そういう城になってきた。


       ✦ ✦ ✦


次回「静かな時間と準備」


 ——しばらく穏やかな日々が続いた。でも城の中では、少しずつ準備が始まっていた。

第十三話「セキネさんからの報告」を読んでいただき、ありがとうございました。


今回は大きな戦いはまだ起きていませんが、物語としてはかなり重要な転換点になっています。


リナの状況がはっきりして、「助けに行く」という方向が現実的な目標として見えてきました。


同時に、レナが“待つ”という選択をしたことも大きいです。すぐに動くんじゃなくて、ちゃんと考えて踏みとどまる強さが出てきたかなと思っています。


そして個人的には、リリスの「まもりたい」とアスタロトの「育てる」という言葉が、この回の芯になってます。


この城が、ただの拠点じゃなくて「守る場所」から「育っていく場所」になってきた、そんな段階に入ってきました。


次回は「静かな時間と準備」。

そのまま穏やかに…とはいかず、少しずつ“その時”に向けて動き出していきます。

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