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〈Essay〉日常の中に在るさまざまなこと。  作者: 高峰 玲


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ぷしゅうぅ〜♪




 中学1年のときの運動会、女子のダンスはドボルザーク先生のユーモレスクだった。半袖の体操服に制服のスカート、両手にちり紙で作った薔薇をつけて、ひらりひらり、ふわりふわふわと優雅に(?)舞う。

   挿絵(By みてみん)

                 ちり紙製の薔薇



 2年になると、体育教師が代わったからか教育委員会の指導方針が変わったからか、ダンスというよりは新体操的なものになり、3年生はリボン、1・2年生は今後の体育の授業でも使うからと個々に購入させられたボールで競技する演目となった( 注1)。

   挿絵(By みてみん)

                      赤玉



 で。中学校を卒業してしまえば、普通の生活で新体操用のボールなんて使わない。私が進学した高校に新体操部もなかったし、何より運動部に入る気はなし。

 そんなこんなで無用の長物となった( 注2)赤いボールは我が家の3代目番犬・ポチのおもちゃとなった。

 バスケットボールに比べると小ぶりではあるが、それなりの大きさのあるボールである。やや持て余し気味に、それでも、ポチは律儀にそれで遊んでくれていた。


 そしてある日──かなり空気が抜けて咥えやすくなっていた赤玉をガブッとやったポチの牙が、がっちりと食い込み、


 ぷしゅうぅ〜♪


情けない音を立てながら、ボールは急激に小さく萎みましたとさ。ポチはびっくりしたのか、初めて笛入りのおもちゃに噛みついて鳴かせたときのような、実に呆然とした顔をしておりました。











 



注1 しかし所詮は中坊女子、皆がみんな器用なわけでも運動神経バツグンなわけでもなく、フィニッシュで投げ上げたボールを受けとめ損ね、バラバラと拾いに行く者が多出し、なんとも締まりのないエンディングになった。3年生の時の女子ダンスは何だったか……あれ?思い出せない……?


注2 当時はハー◯オフもメ◯カリもなかった。





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