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〈Essay〉日常の中に在るさまざまなこと。  作者: 高峰 玲


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それ絶対、言ったらダメなやつ




 むか〜し、役場で戸籍謄本だか抄本だかの交付申請をしたときに住所の番地の記載が“正規じゃない( 注1)”と言われ、訂正印が押せないからか( 注2)、ベテランっぽいお姐さんに「んじゃ、ちょっと消しとくね」と砂消し( 注3)してもらったことがある。


 そう。お役所=正式な書類を取り扱う場所でも、文字を削り取って不備をなくした書類は正規なものとして受け付けてもらえるのだ。


 んん? 何でこんなことを語りだしたのかというと、現在、ほぼ毎日、書類の不備修整として私が文字を削り取っているからである。


 ただし、私が使っているのは砂消しではなくカッターナイフだ。このほうが、ピンポイントで文字が狙えるので、消したらダメなものまで消してしまうこともない。紙の下にプラ下敷きをあてるのも忘れてはいけない。硬いものの上でないと、カッターの実力が発揮されないのだ。


 イメージは紙の上に乗せられたインクを刮(こそ)げ取る感じ? いちばんやりやすいのはレーザープリンターのトナー、次がコピー機のトナー、難しいのは手書きの文字とインクジェットプリンターだ(紙にインクが染み込んでいるので)。


 私はこの作業が上手いと思われているようで、時々、頼まれて施術することもある。


「すごい綺麗、削ったなんてわからないです!」と褒められたりすると、まあ、鼻高々な気分にもなる。


 しかし、そのとき、絶対に口にしてはならない一言がある。


それは、

「トーンフラッシュより、こんなん全然ラクですよ」だ。




トーンフラッシュとは──

挿絵(By みてみん)

こういうの。漫画でよく使われてる効果ってやつ? かつては人力でスクリーントーンをひたすら削って作っておりました。今では既に効果が施されたトーンが売られているし、何ならお絵描きソフトに機能が装備されているらしい( 注4)。


 お字書き(小説家もどき)の私が何故スクリーントーンのことを知っているのかというと、高校で出逢った友人たちがその存在を教え、削り方を手解き(レクチャー)してくれたからである。

 トーンだけではない。点描、ナワアミ、カケアミ、ウニフラetc.etc.……イロイロと教えてもらった。

 必須クラブ( 注5)のペン習字で使ったスプーンペンで主線描いたりしてるうちに、いつしか丸ペンまで購入し使っちゃっていましたよ。恐るべき洗脳(笑)




 ともかく!

 真面目にお仕事をこなす社会人の私が、超・趣味に奔った(オタッキーな)技を嗜んでいるコトを職場では!絶対に!悟られちゃあなんねぇ!!!


 沈黙は金!なのである。




ちなみに私が友人から上手いと言われていたのは、コレ

挿絵(By みてみん)

ウニフラ──仲間内での呼び名は“痛いフラッシュ”(笑)

テクニックはいらない。ひたすらピ◯マの0.05ミリペンを定規に当てて動かすだけの脳筋作業で完成する。














注1 現在の運転免許証の住所は「●●−1」でマイナカードは「●●番地1」になっている。そのときの私は「●●番地の1」と書いたらしく「の」が不要と言われた。


注2 理由が思い出せないけれど、申請書類に不要だから持ってなかったのか、当時未成年だったから印鑑登録したハンコを持ってなかったからか? あ、でも、中学校卒業のお祝い(?)で三文判貰ってたから(中卒で働く人もいるから社会に出る人への学校とか教育委員会とか市町村の餞なのか?)、ひょっとしたら鞄に入れてたかも。


注3 正式名は砂消しゴム? これで普通に鉛筆でかいたものを消そうとすると、とんでもない惨事となる。


注4 さすがに現在の私にそんなものまで使う用がないので、機能については一般常識の範囲での認識。プライベートな用事でのネット関連はスマホで賄えてるので、自宅でPC使わないし〜♪


注5 放課後のクラブ活動とは別に授業時間に実施させられるクラブ活動が中学・高校時代にあった。ペン習字してたのは中学の頃。高校は1年が速記で、2年と3年はイラストで、その時間はずっと友人たちとくっちゃべってた。提出物は書いてる話のキャラデザだったし(笑)






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