第99話 連携
——ゴォォォォッ!!
暴風が森を薙ぎ払う。
木々が吹き飛ぶ。
土が抉れる。
「クソッ!」
ヒロが風を纏う。
加速。
回避。
だが。
追いつかない。
モラクスの双剣。
一振りごとに地形が変わる。
「面倒ネ……!」
ミカが舌打ちした。
近づけない。
近づいても吹き飛ばされる。
その時だった。
「ミカさん!」
マキが叫ぶ。
「任せるッス!」
魔法陣。
展開。
淡い光がミカを包む。
『アクセラレーション!』
「おっ!」
ミカの目が輝く。
次の瞬間。
消えた。
「ネッ!!」
——ギュンッ!!
回転。
加速。
モラクスの懐へ潜り込む。
爪。
連撃。
——ギギギギギッ!!
火花が散る。
モラクスの目が動いた。
「ほう」
「まだまだネ!!」
ミカが笑う。
そこへ。
ヒロが飛び込んだ。
風を纏う。
加速。
死角。
風刃。
——ヒュンッ!!
モラクスが大剣を動かす。
だが、その反応が一瞬遅れた。
——ザシュッ!!
頬が裂ける。
血が飛んだ。
「入った!」
マキが叫ぶ。
ユナが目を見開く。
モラクスは動かない。
ただ。
頬へ触れる。
指先についた血を見る。
「……」
そして。
笑った。
獰猛に。
「悪くねぇ」
一歩。
踏み込む。
ドォン。
地面が沈んだ。
「っ!?」
ヒロの顔色が変わる。
来る。
本能が叫んだ。
次の瞬間。
双剣が唸る。
——ゴォォォォォォッ!!
今までより大きい。
暴風。
森が裂けた。
『フィールド!!』
ユナが叫ぶ。
透明な壁。
展開。
激突。
轟音。
衝撃。
だが。
止まらない。
「ぐっ……!」
ユナが歯を食いしばる。
フィールドごと押される。
「ユナ!」
「大丈夫!」
だが。
余裕はない。
その様子を。
モラクスは見ていた。
じっと。
「いい」
巨大な魔力が膨れ上がる。
まだ。
底が見えなかった。




