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異世界リボーン――不死の身体で始まる冒険、これは現世へ還るための物語  作者: 東アガル


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96/102

第96話 出発


 朝。


 


 


 目を開ける。


 


 


 


 見慣れた顔があった。


 


 


 


 エバ。


 


 


 


 隣。


 


 


 


 そして。


 


 


 


 目の前。


 


 


 


 ユナだった。


 


 


 


「おはよう」


 


 


 


 ヒロが体を起こす。


 


 


 


「……朝か」


 


 


 


「疲れは取れた?」


 


 


 


 ユナが聞く。


 


 


 


「まぁな」


 


 


 


 ヒロが軽く肩を回した。


 


 


 


 体は動く。


 


 


 


 問題ない。


 


 


 


「なら良かった」


 


 


 


 ユナが小さく笑う。


 


 


 


 その様子を見て。


 


 


 


「朝から見つめ合ってるネ」


 


 


 


 ミカだった。


 


 


 


「起きたばっかだぞ」


 


 


 


「いつものことネ」


 


 


 


 即答だった。


 


 


 


「平和な朝ッスね」


 


 


 


 マキが欠伸(あくび)する。


 


 


 


「その台詞フラグっぽいからやめろ」


 


 


 


「うわ、自分でも思ったッス」


 


 


 


 マキが顔をしかめた。


 


 


 


 少しだけ笑いが起きる。


 


 


 


 昨日までの重さが。


 


 


 


 少しだけ軽くなった気がした。


 


 


 


 


 村の入口。


 


 


 


 


 出発準備は終わっていた。


 


 


 


 ラナ達も集まっている。


 


 


 


 そして。


 


 


 


 ワイルドカード。


 


 


 


 ジュリアス。


 


 


 


 ダビデ。


 


 


 


 ドロス。


 


 


 


 シャルル。


 


 


 


 全員揃っていた。


 


 


 


「本当に行くんだな」


 


 


 


 ジュリアスが言う。


 


 


 


「行く」


 


 


 


 ヒロは頷いた。


 


 


 


「そうか」


 


 


 


 短い返事。


 


 


 


 だが。


 


 


 


 それで十分だった。


 


 


 


「ここは任せろ」


 


 


 


 ジュリアスが村を見る。


 


 


 


「少なくとも」


 


 


 


「二度と好き勝手にはさせん」


 


 


 


「助かる」


 


 


 


 ヒロが答えた。


 


 


 


「借りは返したからな」


 


 


 


 ダビデが笑う。


 


 


 


「次は負けるなよ」


 


 


 


「そっちもな」


 


 


 


 ヒロも笑った。


 


 


 


「死なないでよ」


 


 


 


 ドロスが言う。


 


 


 


「せっかく面白くなってきたんだから」


 


 


 


「それ褒めてるのか?」


 


 


 


「たぶんね」


 


 


 


 ドロスは少しだけ笑った。


 


 


 


「どうかご無事で」


 


 


 


 シャルルが静かに頭を下げる。


 


 


 


「またお会いしましょう」


 


 


 


 ヒロも頷いた。


 


 


 


 その時。


 


 


 


「おい」


 


 


 


 ラナだった。


 


 


 


 少しだけ言いづらそうに。


 


 


 


 そして。


 


 


 


「魔王様を頼む」


 


 


 


 静かな声。


 


 


 


 ヒロは少し目を見開いた。


 


 


 


「村を襲った奴らは許せねぇ」


 


 


 


「でも」


 


 


 


「魔王様は違う」


 


 


 


 ヒロは答えなかった。


 


 


 


 代わりに。


 


 


 


 小さく頷く。


 


 


 


「分かった」


 


 


 


 それだけだった。


 


 


 


 だが。


 


 


 


 十分だった。


 


 挿絵(By みてみん)



 


「行くぞ」


 


 


 


 ヒロが前を見る。


 


 


 


 魔王城。


 


 


 


 黒い城。


 


 


 


 その先へ。


 


 


 


 仲間達が歩き出す。


 


 


 


 そして。


 


 


 


 遠く。


 


 


 


 森の奥。


 


 


 


 巨大な影がゆっくり立ち上がる。


 


 


 


 獣のような瞳。


 


 


 


「……来やがったか」


 


 


 


 低い声。


 


 


 


 不機嫌そうに鼻を鳴らす。


 


 


 


「チッ」

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