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第38話 確認


 ギルドの外。


 


 人通りの少ない場所。


 


 


「……なあ」


 


 ヒロが足を止める。


 


 


「昨日みたいなのがまた来る可能性あるだろ」


 


 


「……うん」


 


 ユナが小さく頷く。


 


 


「だったら」


 


 


 振り返る。


 


 


「ここで一旦、様子見する」


 


 


「この領地に残るってことネ?」


 


 


「そういうこと」


 


 


 ヒロは軽く肩をすくめる。


 


 


「行き当たりばったりで動くよりマシだ」


 


 


 


「いいと思うネ」


 


 


 ミカが頷く。


 


 


「ミーも賛成ヨ」


 


 


 


「……私も」


 


 


 ユナも続く。


 


 


 


「じゃあ決まりだな」


 


 


 


 少し間を置いて。


 


 


 


「——その前に」


 


 


 


 ヒロが続ける。


 


 


 


「能力、ちゃんと把握しとこう」


 


 


 


「……能力?」


 


 


 


「お互い何できるか、曖昧なままだろ」


 


 


 


「確かにネ」


 


 


 


「戦い方、組み立てるなら必要ヨ」


 


 


 


 


「じゃあミーからネ」


 


 


 


 ミカが一歩前に出る。


 


 


 


「遠距離はこれネ」


 


 


 


 指を揃える。


 


 


 


『バッキュン!!』


 


 


 


 閃光が一直線に走る。


 


 


 


 遠くの瓦礫が弾ける。


 


 


 


 


「あと——」


 


 


 


 今度は構えを変える。


 


 


 


『Bang!!』


 


 


 


 爆発。


 


 


 


 小さな衝撃が広がる。


 


 


 


 


「爆裂もいけるネ」


 


 


 


 そのまま軽く構える。


 


 


 


 シャドーボクシング。


 


 


 


「近接もいけるヨ」


 


 


 


「万能かよ」


 


 


 


 ヒロが呆れる。


 


 


 


 


「次、私」


 


 


 


 ユナが前に出る。


 


 


 


「……攻撃は、できない」


 


 


 


「防御と回復だけ」


 


 


 


 


「魔法は?」


 


 


 


「……教えてもらったけど」


 


 


 


 少しだけ言葉を探す。


 


 


 


「……よく分かってない」


 


 


 


 


「なるほどな」


 


 


 


 ヒロは頷く。


 


 


 


 


「じゃあ俺は」


 


 


 


 軽く手を見る。


 


 


 


「死んでも戻る」


 


 


 


「あと……」


 


 


 


「デバフ効かないっぽい」


 


 


 


 


「それが一番おかしいネ」


 


 


 


 ミカが即ツッコむ。


 


 


 


 


「他は?」


 


 


 


「……特にないな」


 


 


 


 


「……」


 


 


 


 ユナが少しだけ俯く。


 


 


 


 


「じゃあ確認するか」


 


 


 


 ヒロが言う。


 


 


 


「ユナの防御」


 


 


 


 


「……それって」


 


 


 


 ユナが少し警戒する。


 


 


 


「危ないことするでしょ」


 


 


 


 


「大丈夫ネ」


 


 


 


 ミカが前に出る。


 


 


 


「まずミーがやるヨ」


 


 


 


 


『フィールド』


 


 


 


 光が広がる。


 


 


 


 ミカの周囲に薄い膜。


 


 


 


 


「いくネ」


 


 


 


 指を向ける。


 


 


 


『Bang!!』


 


 


 


 小さな爆発。


 


 


 


 


 煙が晴れる。


 


 


 


 


「……問題ナイネ」


 


 


 


 ミカは平然としていた。


 


 


 


 


「次、ヒロ」


 


 


 


 


「了解」


 


 


 


 


 ヒロが前に出る。


 


 


 


 


『フィールド』


 


 


 


 同じように展開。


 


 


 


 


「いくヨ」


 


 


 


『Bang!!』


 


 


 


 


 爆発。


 


 


 


 


「……」


 


 


 


 ヒロは立っている。


 


 


 


 


「……平気だな」


 


 


 


 


「ちゃんと効いてるネ」


 


 


 


 


「じゃあ次」


 


 


 


 ユナが続ける。


 


 


 


『プロテクト』


 


 


 


 今度はより強い光。


 


 


 


 


「ミーからネ」


 


 


 


『Bang!!』


 


 


 


 


 爆発。


 


 


 


 


「……ほぼノーダメネ」


 


 


 


 


「次、ヒロ」


 


 


 


 


「来い」


 


 


 


 


『Bang!!』


 


 


 


 


 爆発。


 


 


 


 


「……っ」


 


 


 


 


 ヒロの体がわずかに揺れる。


 


 


 


 


「……効いたな」


 


 


 


 


「……え?」


 


 


 


 


 ユナが固まる。


 


 


 


 


「なんで……」


 


 


 


 


 言葉が出ない。


 


 


 


 


 


 その間。


 


 


 


 


「……」


 


 


 


 


 エバは、ずっと見ていた。


 


 


 


 


 興味深そうに。


 


 


 


 


 まばたきも少なく。


 


 


 


 


 


 ヒロがちらっと見る。


 


 


 


 


「……そんな見られるとやりにくいなってか、いつまでいるんだ?」


 


 


 


 


「問題ない」


 


 


 


 


「ある」


 


 


 


 


 


 そのやり取りの裏で。


 


 


 


 


 少し離れた木の上。


 


 


 


 


 フクロウが二羽。


 


 


 


 


 


<……へえ>


 


 


 


 


 


<面白いね>


 


 


 


 


 


<バフもデバフも効かないんだ>


 


 


 


 


 


<……どういうことなんですかねぇ>


 


 


 


 


 


 静かな声。


 


 


 


 


 


 誰にも聞こえない。


 


 


 


 


 


 ただ——


 


 


 


 


 


 観察されていた。


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