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第24話 試すこと


 森の中。


 


「……で」


 


 ヒロは立ち止まった。


 


「ちょっと試したいんだけど」


 


「ダメ」


 


 即答だった。


 


「まだ何も言ってないだろ」


 


「言わなくても分かる」


 


 ユナの目は真剣だった。


 


「さっきのこと、試すつもりでしょ」


 


「まあ、そうだけど」


 


 


「ダメ」


 


 


「……」


 


 


 ヒロは少しだけ考えて。


 


「でもさ」


 


「このままの方が危なくないか?」


 


 


 ユナの言葉が止まる。


 


 


「どういうこと?」


 


 


「何も分かってないまま、またあれ来たら終わるだろ」


 


 


「……」


 


 


「だったら」


 


 


 軽く肩をすくめる。


 


 


「どこまでなら大丈夫か、知っといた方がいい」


 


 


 


 沈黙。


 


 


 


「……最低限」


 


 


 ユナが小さく言う。


 


 


「本当に、最低限だけ」


 


 


 


「了解」


 


 


 


「ユー、何するネ?」


 


 


 ミカが興味深そうに見る。


 


 


 


「軽く当たってみる」


 


 


 


「軽く?」


 


 


「軽く」


 


 


 


 ちょうどいい。


 


 小型の魔物が一体、こちらに向かってくる。


 


 


「……よし」


 


 


 ヒロは前に出た。


 


 


 


「避けないの?」


 


 


 ユナの声。


 


 


 


「今回はな」


 


 


 


 魔物が飛びかかる。


 


 


 


 ——そのまま受ける。


 


 


 


「っ!」


 


 


 衝撃。


 


 肩に痛みが走る。


 


 


 


「……痛っ」


 


 


 


 よろめく。


 


 


 けれど、倒れない。


 


 


 


「……これくらいか」


 


 


 


 そのまま、反撃。


 


 


 


 魔物を倒す。


 


 


 


「バカ」


 


 


 ユナが強く腕を掴む。


 


 


「普通避けるでしょ」


 


 


「避けてもいいけどさ」


 


 


 


 ヒロは軽く息を吐いた。


 


 


「当たっても動けるか、知っときたかった」


 


 


 


「……」


 


 


 


 ユナは何も言えない。


 


 


 


「ユーたち、逃げないネ」


 


 


 ミカがぽつりと言う。


 


 


 


「逃げる理由あるか?」


 


 


 


「あるヨ」


 


 


 ミカは軽く笑う。


 


 


 


「ミーと組むと、大体逃げられるネ」


 


 


 


「自覚あるのかよ」


 


 


 


「あるネ」


 


 


 


 少しだけ、間。


 


 


 


「でも」


 


 


 


 ミカはヒロを見る。


 


 


 


「ユーは逃げないネ」


 


 


 


「まあな」


 


 


 


「変デス」


 


 


 


「知ってる」


 


 


 


 ヒロは軽く笑った。


 


 


 


「でも」


 


 


 


 もう一歩、前に出る。


 


 


 


「逃げても意味ないしな」


 


 


 


 その言葉に。


 


 


 


 ミカは、ほんの少しだけ目を細めた。


 


 


 


「……悪くないネ」

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