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第15話 三人の初日


 翌日。


 


「……ほんとに来たな」


 


 ヒロは小さく呟いた。


 


 ギルドの前。


 


 そこには当然のように、ミカが立っていた。


 


「当たり前ネ!」


 


 ミカは満面の笑みで答える。


 


「今日からチームデス!」


 


 


(……逃げても来そうだな、こいつ)


 


 


「まだ慣れねえな……」


 


 


「ヒロ」


 


 隣で、ユナが小さく袖を引いた。


 


「今日は、無理しないで」


 


「毎回それ言うな」


 


「大事だから」


 


 


 いつもより、少しだけ強めだった。


 


 


(……まあ、守る気満々だな)


 


 


「……行くネ?」


 


 


 ミカが先に歩き出す。


 


 


「ちょっと待て、勝手に進むな」


 


 


「問題ナイ」


 


 


「問題あるだろ」


 


 


 ため息をつきながら、ヒロも後を追う。


 


 


(とりあえず、暴れすぎないように見とくか)


 


 


 森に入る。


 


 朝の空気は静かで、どこか張り詰めていた。


 


 


「……来るネ」


 


 


 ミカが軽く言う。


 


 


 直後。


 


 草むらが揺れた。


 


 


 魔物が現れる。


 


 数は——そこそこ。


 


 


「ヒロ、前」


 


「ああ」


 


 


 ヒロは自然に前へ出る。


 


 ユナを庇う位置。


 


 


 


 動く。


 


 


 一体。


 


 二体。


 


 


 体が、迷わない。


 


 


(やっぱり、このくらいなら問題ない)


 


 


「いいネいいネ!」


 


 


 ミカが楽しそうに笑う。


 


 


「ユー、やっぱり変デス!」


 


 


「それ褒めてんのか?」


 


 


「褒めてるネ!」


 


 


 


 横から魔物が飛び込んでくる。


 


 


「ヒロ!」


 


 


 ユナの声。


 


 


 反応する。


 


 


 ——間に合う。


 


 


 斬る。


 


 


 


(今のは余裕だな)


 


 


 


 その直後。


 


 


 


『バッキュン!』


 


 


 


 光が走る。


 


 


 別の魔物が吹き飛んだ。


 


 


 


「だから急だって!」


 


 


 


「サポートネ!」


 


 


 


「加減しろ!!」


 


 


 


(ほんとに加減覚えろ……)


 


 


 


「じゃあこれネ」


 


 


 


 ミカが一歩前に出る。


 


 


 


(あ、これ止めないとまずい)


 


 


 


「ちょ、待て——」


 


 


 


『Bang!!』


 


 


 


 ——爆発。


 


 


 


「うおおお!?」


 


 


 


 ヒロはとっさにユナを引き寄せる。


 


 


 


 衝撃。


 


 


 土煙。


 


 


 


 


 数秒後。


 


 


 


「……おい」


 


 


 


 ヒロは顔を上げた。


 


 


 


「初日からこれかよ!!」


 


 


 


 周囲はほぼ壊滅していた。


 


 


 


「問題ナイ!」


 


 


 


 ミカは満足げだった。


 


 


 


「全部倒したネ!」


 


 


 


「こっちも巻き込まれてんだよ!」


 


 


 


「ユー丈夫だから大丈夫ネ」


 


 


 


「その理屈やめろ!!」


 


 


 


 


「……ヒロ」


 


 


 


 ユナが、少し強く腕を掴んでいた。


 


 


 


「大丈夫?」


 


 


 


「大丈夫だって」


 


 


 


 ヒロは軽く笑う。


 


 


 


(……ほんと無茶するな)


 


 


 


「……」


 


 


 


 ユナは、ミカを見る。


 


 


 


 ほんの少しだけ。


 


 じっと。


 


 


 


「……近い」


 


 


 


「ん?」


 


 


 


 小さく呟く。


 


 


 


「ヒロとの距離」


 


 


 


「いや今そこ?」


 


 


 


 ヒロが思わずツッコむ。


 


 


 


「大事」


 


 


 


 ユナは真顔だった。


 


 


 


 


「オーケー」


 


 


 


 ミカがあっさり頷く。


 


 


 


「少し離れるネ」


 


 


 


 そう言いながら——


 


 


 


 一歩だけ。


 


 


 


「いや誤差だろそれ!!」


 


 


 


 


 ヒロは頭を抱えた。


 


 


 


 


(……やっぱり、この二人)


 


(普通じゃないな)


 


 


 


 ——なんとなく。


 


 


 分かってきた気がする。


 


 


 


 このパーティは。


 


 


 


 絶対に、平和にはならない。


 


 


 


 そして。


 


 


 


 その中心にいるのが誰かも。


 


 


 


 ヒロは、まだ理解していなかった。

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