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第14話 三人目の仲間


 ギルドの扉を開けた瞬間。


 


 視線が集まった。


 


「……またお前か」


 


 誰かが呟く。


 


「今日は被害どれくらいだ?」


 


「いや今回は森の一部が消えたらしいぞ」


 


「変わってねえじゃねえか!」


 


 


「失礼ネ!」


 


 ミカが腕を組む。


 


「ちゃんと敵は倒してマス!」


 


「ついでに周りも吹き飛ばしてんだよ!」


 


 


「……なるほどな」


 


 ヒロは軽く頷いた。


 


「なんとなく分かってきた」


 


 


(こいつ、完全に危険人物だな……)


 


 


「ユー、理解が早いネ」


 


 


「嬉しくねえよ」


 


 


 


 受付に報告を済ませる。


 


 ギルド職員の顔が、少し引きつっていた。


 


「……依頼は達成です」


 


「ありがとうございます」


 


「ただし——」


 


 一瞬、間が空く。


 


「次回以降、周囲への被害には十分注意してください」


 


 


「努力しマス」


 


 


「信用できねえ……」


 


 


 


 報告を終え、少し離れた場所へ移動する。


 


 


「で?」


 


 ヒロはミカを見る。


 


「さっきの話、どうするつもりだ?」


 


 


「決まってマス」


 


 


 ミカはにやりと笑った。


 


 


「ミー、ユーたちと組むネ」


 


 


「いやだから勝手に決めるなって」


 


 


「問題ナイ」


 


 


 自信満々だった。


 


 


「ユー、面白いネ」


 


「それ理由になってねえからな」


 


 


「それに」


 


 ミカは続ける。


 


「この国、いろいろ動いてマス」


 


「同盟とか、戦争とか」


 


「ミー一人より、チームの方が効率いいネ」


 


 


「……まあ、それは分かる」


 


 


 ヒロは腕を組む。


 


 少し考える。


 


 


(強いのは間違いない)


(でも——)


 


 


 壊滅した森の光景が、頭をよぎる。


 


 


(扱い間違えたら、普通に危ないな)


 


 


「……どうする?」


 


 


 ユナを見る。


 


 


「……」


 


 


 ユナは、少しだけ黙っていた。


 


 


 ミカを見る。


 


 ヒロを見る。


 


 


 その手が、ヒロの袖を掴む。


 


 


「……ヒロは、どうしたい?」


 


 


「俺?」


 


 


 ヒロは少し考えてから。


 


 


「まあ……」


 


 


 一度、息を吐く。


 


 


「強いし、助かるのは間違いない」


 


 


「でも、危ないのも間違いないな」


 


 


 正直に言う。


 


 


「……だから」


 


 


 少しだけ、笑った。


 


 


「ちゃんと見張れるなら、ありだと思う」


 


 


「……そう」


 


 


 ユナは小さく頷いた。


 


 


 少しだけ。


 


 本当に、少しだけ。


 


 


 力が強くなる。


 


 


「……じゃあ」


 


 


 顔を上げる。


 


 


「条件付き」


 


 


「条件?」


 


 


 ミカが首をかしげる。


 


 


「ヒロに近づきすぎないこと」


 


 


「いやそこ?」


 


 


 ヒロが思わずツッコむ。


 


 


「大事」


 


 


 ユナは真顔だった。


 


 


 


「……オーケー」


 


 


 ミカはあっさり頷いた。


 


 


「ユー、独占欲強いネ」


 


 


「ち、違うから!」


 


 


 ユナが少しだけ慌てる。


 


 


 その様子を見て。


 


 


「……まあいいや」


 


 


 ヒロは苦笑した。


 


 


 


(この組み合わせ、大丈夫か……?)


 


 


 


「じゃあ、よろしくってことで」


 


 


 手を差し出す。


 


 


 


「ヨロシクネ!」


 


 


 ミカがその手を取る。


 


 


 


 こうして。


 


 


 ヒロたちは、三人になった。


 


 


 


 ——ただし。


 


 


 


 この中に、一番危険なのがいることに。


 


 


 


 ヒロは、まだ気づいていなかった。

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