第13話 強引な加入
翌日。
「ユーたち、また来たネ!」
森の入口で、ミカが手を振っていた。
「……なんでいるんだよ」
ヒロはため息をつく。
(いやほんと、なんでいるんだよ)
「依頼デス」
ミカは胸を張る。
「昨日のリベンジネ!」
「不安しかねえな」
「ヒロ」
ユナが小さく袖を引く。
「今日は、気をつけて」
「分かってるって」
(まあ、昨日のあれ見たら警戒もするか)
森に入る。
昨日より、少し奥。
「来るネ」
ミカが指を鳴らす。
魔物が現れる。
数は多い。
「ヒロ、前」
「ああ」
ヒロは自然に前へ出る。
ユナを庇う位置。
動く。
踏み込み。
——少しだけ、速い。
一体、斬る。
二体目。
体が勝手に反応する。
(やっぱり、昨日より動けてるな)
「いいネ!」
ミカが笑う。
「ユー、やっぱり面白いヨ!」
「だからそれなんなんだよ!」
そのとき。
横から魔物が迫る。
「ヒロ!」
反応する。
——間に合う。
斬る。
(この感じ……悪くない)
その直後。
『バッキュン!』
光が走る。
別の魔物が吹き飛ぶ。
「だから急だって!」
「サポートしてるネ!」
「加減しろ!!」
(ほんと加減しろ……)
さらに奥から魔物が現れる。
「まとめていくヨ!」
(あ、これダメなやつだ)
「待て待て待て!!」
『Kaboom!!』
——轟音。
爆発が広がる。
「うおおおお!?」
ヒロはとっさにユナを引き寄せる。
衝撃。
土煙。
「……」
数秒後。
「……おい」
ヒロは顔を上げる。
「またやりすぎだろ!!」
周囲はほぼ壊滅していた。
「問題ナイ!」
ミカは満足げだった。
「全部倒したネ!」
「こっちも死にかけてんだよ!」
「ユー丈夫デショ?」
「その理屈やめろ!!」
「……ヒロ」
ユナが、強く腕を掴んでいた。
「大丈夫?」
「大丈夫だって」
ヒロは軽く笑う。
(……ほんと無茶するな)
その様子を見て。
「……」
ユナは、ミカを見た。
ほんの少しだけ。
距離を取るような視線。
「ユーたち、いいネ」
ミカが満足そうに頷く。
「ミー、決めたネ」
「何をだよ」
「しばらく一緒にやるヨ」
「いや勝手に決めるな」
ヒロはため息をつく。
(……面倒増えそうだな)
けれど。
「……まあ」
周囲を見る。
壊滅した魔物。
「強いのは間違いないな」
「デショ?」
ミカが笑う。
その横で。
ユナの手が、ヒロの袖を強く掴んでいた。
「……ダメ」
小さく呟く。
誰に向けたのかも分からない声だった。




