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第12話 爆裂の洗礼


 ギルドを出た直後だった。


 


「ユーたち、ちょうどよかったネ!」


 


 後ろから声が飛んできた。


 


「……また来たな」


 


 振り返ると、ミカが手を振っていた。


 


「またってなんだヨ」


 


 ずかずかと距離を詰めてくる。


 


「ミーは今ちょっと困ってマス」


 


「見るからにだな」


 


 


(嫌な予感しかしないな)


 


 


「依頼受けたネ。でも場所ちょっとズレてマシタ」


 


「それただのミスじゃねえか」


 


 


「でもそのせいで」


 


 ミカが森の方を指さす。


 


「ちょっと面倒なの、引っかけたネ」


 


 


 ——その直後。


 


 


 木々の奥から、低い唸り声が響いた。


 


 


「……マジか」


 


 ヒロは軽く息を吐く。


 


 


 現れたのは、複数の魔物。


 


 数が多い。


 


 


(まあ……やるしかないか)


 


 


「ユーたちも来るネ?」


 


 


「断れる空気じゃないなこれ」


 


 


「デスネ!」


 


 


 


 魔物が一斉に動く。


 


 


 ヒロは前に出る。


 


 ユナを庇う位置。


 


 


「ヒロ、気をつけて」


 


 


「分かってる」


 


 


 


 飛びかかってくる一体。


 


 


 ヒロは動く。


 


 


 体が、自然に反応する。


 


 


 斬る。


 


 


 そのまま次へ。


 


 


(やっぱ、動きいいな)


 


 


「いいネいいネ!」


 


 


 ミカが笑う。


 


 


「ユー、やっぱり変デス!」


 


 


「褒めてんのかそれ!」


 


 


 


 そのとき。


 


 


 横から別の魔物。


 


 


「っ!」


 


 


 ヒロが反応するより早く——


 


 


 


『バッキュン!』


 


 挿絵(By みてみん)




 


 光が走った。


 


 


 魔物が吹き飛ぶ。


 


 


「……は?」


 


 


 ミカが指を構えたまま、にやりと笑っていた。


 


 


「便利デショ?」


 


 


「いやなんだ今の!?」


 


 


「ヒミツですネ」


 


 


 


(いや、普通じゃねえだろ……)


 


 


 


 さらに魔物が集まる。


 


 


「ちょうどいいネ」


 


 


 ミカが一歩前に出る。


 


 


「まとめていくヨ」


 


 


 


(……これ、止めた方がいいやつだろ)


 


 


 


「ちょ、待て——」


 


 


 


「爆裂、いきマス!」


 


 


 


『Bang!!』


 


 


 


「いや待てって!!」


 


 


 


 次の瞬間。


 


 


 轟音。


 


 


 地面ごと吹き飛ぶような爆発。


 


 


 


「うおおお!?」


 


 


 ヒロはとっさにユナを引き寄せる。


 


 


 


 衝撃が走る。


 


 


 土煙が舞い上がる。


 


 


 


 数秒後。


 


 


 


「……おい」


 


 


 ヒロは顔を上げた。


 


 


「やりすぎだろ!!」


 


 


 


 周囲の魔物は、ほぼ壊滅していた。


 


 


 ついでに地面もえぐれている。


 


 


 


「問題ないネ!」


 


 


 ミカは胸を張る。


 


 


「全部倒したヨ!」


 


 


「いやこっちも巻き込まれてんだよ!」


 


 


 


「ユー丈夫だから大丈夫ネ」


 


 


「その理屈おかしいだろ!」


 


 


 


 その横で。


 


 


 


「……ヒロ、大丈夫?」


 


 


 ユナがヒロの腕を掴む。


 


 


 さっきより、少しだけ強く。


 


 


「大丈夫だって」


 


 


 ヒロは軽く笑う。


 


 


 


(ほんと、無茶するやつだな……)


 


 


 


「……」


 


 


 ユナはミカを見る。


 


 


 ほんのわずかに、警戒の色。


 


 


 


「ユーたち、悪くないネ」


 


 


 ミカが満足そうに頷く。


 


 


「一緒にやると楽しそうデス」


 


 


 


「いやまだその話終わってないからな」


 


 


 


 ヒロはため息をついた。


 


 


 


 そのとき。


 


 


 


 少し離れた木の上。


 


 


 


 フクロウがニ羽、じっとこちらを見ていた。


 


 


 


<……えーっ!?>


 


 


 


 小さな声。


 


 


 


<なんでアイツがここにいるんスか!?>


 


 


 


<おい黙れって!>


 


 


 


 別の声が重なる。


 


 


 


<いやだってあいつ、オルトネート国だったはずッスよ!?なんでこんなとこに——」


 


 


 


 ヒロたちには聞こえない。


 


 


 


 けれど。


 


 


 


 フクロウたちは、明らかに動揺していた。

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