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第11話 異国の魔法?使い


 ギルドの中は、いつも以上にざわついていた。


 


「……なんか騒がしくないか?」


 


 ヒロは周囲を見回す。


 


「うん……ちょっと様子おかしいね」


 


 ユナも少し警戒した様子だった。


 


 


(なんか、いつもと違うな)


 


 


 そのとき——


 


「ノーノー! それはナイですヨ!!」


 


 やたら通る声が響いた。


 


「ミーはちゃんとコントロールしてマシタ!」


 


 


 視線を向ける。


 


 そこには——


 


 金髪碧眼の女性がいた。


 


 スタイルのいい体に、やや露出の多い装備。

 指先には、オープンフィンガーグローブ。


 


 なのに魔法使いのような格好だ。


 


 


(……なんだあれ)


 


 


「いやいやいや! あれのどこがコントロールだよ!」


「パーティ全員吹き飛んでんだぞ!?」


 


 周囲の冒険者たちが口々に言う。


 


「それはユーたちが近すぎデス!」


 


 女性は胸を張る。


 


「爆裂はロマン、理解してほしいネ!」


 


「ロマンで死にかけたんだよ!!」


 


 


 完全に揉めていた。


 


 


「……なんだあれ」


 


 ヒロは呆れたように呟く。


 


 


「……他の国の人、かな」


 


 ユナが小さく言う。


 


「装備も魔法も、この辺りのものじゃない」


 


 


「へぇ」


 


 ヒロは興味深そうに見る。


 


 


(でも……ただの魔法使いじゃなさそうだな)


 


 


「ミーは悪くないネ!」


 


 女性は腕を組む。


 


「この国のモンスター、柔らかすぎデス!」


 


「いやお前が強すぎるんだよ!」


 


 


 そのとき。


 


 女性の指が、こちらに向いた。


 


 


「……ん?」


 


 


 ヒロと目が合う。


 


 


「ユー」


 


 指差される。


 


「ミーのこと、今()()()って思ったネ?」


 


 


「いや思ってないけど」


 


 


「ウソはダメですヨ」


 


 


 ずかずかと近づいてくる。


 


 距離が近い。


 


 


(近いな……)


 


 


「ユー、強そうネ」


 


「そうでもないぞ」


 


 


「でも、変デス」


 


 


「またそれか」


 


 


 ヒロは苦笑する。


 


 


(なんなんだよ、その評価)


 


 


「ミー、ミカと言いマス」


 

挿絵(By みてみん)



 胸を張って名乗る。


 


「遠いところから来たネ。この国、今いろいろ集まってマスね」


 


 


「集まってる?」


 


 


「ソウ。魔王のせいで、どこも同盟組んでるネ」


 


 


「だからミーも来たデス」


 


 


 


「へぇ……」


 


 ヒロは軽く頷く。


 


 


(まあ、変なのが増える理由としては納得だな)


 


 


「ユーたち、パーティ?」


 


「まあ、そんなもん」


 


 


「ナラ」


 


 ミカがにやりと笑う。


 


「一緒にやるネ?」


 


 


「いや早い早い」


 


 即ツッコミ。


 


 


「今ちょっと人探してるネ」


 


 ミカは肩をすくめる。


 


「みんな逃げるから困ってマス」


 


 


「原因わかってるだろ」


 


 


 周囲の冒険者たちが、露骨に距離を取っていた。


 


 


「……面白い人だな」


 


 ヒロが小さく笑う。


 


 


 その横で。


 


 


「……」


 


 ユナは、何も言わなかった。


 


 


 ……ほんの少しだけ。


 


 ヒロの袖を引いた。


 


 


(……嫌そうだな)


 


 


「……行こ」


 


 小さな声。


 


 


「ん?」


 


 ヒロは首をかしげる。


 


「いや、まだ話——」


 


 


「ダメですヨ」


 


 ミカが割り込んできた。


 


 


「ユー、もうミーと組む流れデス」


 


 


「そんな流れねえよ」


 


 


 そのとき。


 


 


 ——ドンッ!!


 


 


 遠くで、爆発音が響いた。


 


 


 ギルドの中が一瞬、静まり返る。


 


 


「……あ」


 


 ミカが視線を逸らした。


 


 


「……今の、お前か?」


 


 


「……ちょっとだけネ?」


 


 


「ちょっとで済む音じゃねえだろ」


 


 


 ヒロはため息をついた。


 


 


(……関わると面倒そうだな、これ)


 


 


 ——この出会いが。


 


 


 この先の面倒を増やすことになると。


 


 


 このときは、まだ知らなかった。

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