↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不服、神様……僕に声掛けなかったよね?  作者: 海月まったり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/23

第四話 神様への道

挿絵(By みてみん)

 神様の居場所が分からない。


 アザラシは海辺で考えていた。


「……困ったな」


 ずっと同じことを考えている。


 神様に会いたい。


 聞きたいことがある。


 なぜ、自分には声を掛けなかったのか。


 しかし。


「……どこにいるんだろう?」


 分からない。


 アザラシは少し考えた。


「……そうだ」


 まだ、聞いていない動物がいる。


 イタチと猫。


 二匹とも、神様から声は掛けられていた。


 アザラシは、まずイタチのところへ向かった。


「ちょっと聞きたいんだけど」


「また??」


「うん」


「今度は何?」


「神様って、どこにいるの?」


 イタチは少し考えた。


「……知らない」


「そう」


「でも、神様と話したことはあるよ」


 アザラシの目が少し開く。


「本当に?」


「うん」


「どこで?」


「空から声がした」


「空?」


「そう」


 アザラシは空を見上げた。


 青い空が広がっている。


「神様……空にいるの?」


「たぶん」


「たぶん?」


「神様の姿を見たわけじゃないから」


「そっか」


 アザラシは考える。


「じゃあ、猫にも聞いてみる」


 次に向かったのは、猫のところだった。


「聞きたいことがある」


「何?」


「神様って、どこにいるの?」


「知らないよ」


「そう」


「でも、神様の声なら聞いたことがある」


「どこで?」


「空から」


「……やっぱり?」


「やっぱり?」


「いや、こっちの話」


 アザラシは空を見上げた。


 神様は空から声を掛ける。


 イタチも同じことを言っていた。


「……じゃあ、空に向かって話せばいいのかな」


「どうだろう」


「神様ー!」


 アザラシが空に向かって叫ぶ。


 返事はない。


「……」


「……」


「……居留守かな??」


「そんな簡単に返事するわけないでしょ」


「そう?」


 アザラシは首を傾げた。


「神様なんだから、僕の声くらい聞こえると思ったんだけど」


「ずいぶん自信あるね」


「僕だからね」


「……うーん」


「何?」


「いや、何でもない」


 アザラシは再び空を見る。


 神様は空から声を掛けるらしい。


 ならば。


「……空へ行けばいいのかな」


「どうやって?」


「分からない」


「……」


「でも、行けば会えるでしょ」


 アザラシは真剣だった。


 根拠はない。


 しかし、迷いもない。


「神様に聞きたいことがある」


 それだけだった。


 海を見る。


 陸を見る。


 そして、もう一度空を見る。


「……行こう」


 アザラシはゆっくりと。


 地面を這う。


 ズリ。


 ズリ。


 ズリ。


 神様を探す旅が始まった。


 ただし。


 まだ神様がどこにいるのかは、分かっていない。


 そして――


 アザラシはまだ知らなかった。


 神様はアザラシ存在に最初から知っていたことを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。