↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不服、神様……僕に声掛けなかったよね?  作者: 海月まったり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/23

第十七話 アザラシのK点

挿絵(By みてみん)

 アザラシは、ただ前だけを見据えていた。


 ズリズリズリズリ。


 その後ろから。


 激しい足音が聞こえてくる。


「待てぇぇぇぇぇ!!」


「……?」


 アザラシが振り返る。


 そこには、決死の形相で走る辰(龍)がいた。


「……辰(龍)?」


「認めん!!認めんぞ!!」


「そう」


「貴様……!」


 辰(龍)は歯を食いしばる。


「私はお前に抜かれたまま終わるつもりはない!!」


「……?」


「もう一度、私と勝負しろ!!」


 アザラシは少し考えた。


「……勝負?」


「そうだ!」


「……」


 アザラシは前を見る。


「僕は君とは勝負しない」


「……は?……何……?」


「僕は僕のペースで進むだけだから」


「……!」


 辰(龍)は言葉を失った。


 そして……アザラシは。


 また前を向いた。


 ズリズリズリズリ。


「……待て!!」


 辰(龍)が追う。


 しかし、少しずつ。


 距離が開いていく。


「なぜだ……なぜなんだ……!!」


 辰はさらに速度を上げる。


 アザラシとの距離が。


 縮まらない。


「……くっ!!」


 さらに走る。


 それでも、アザラシは前にいる。


 ズリズリズリズリズリ。


「……っ!」


 辰(龍)は気づいた。


 さっきよりアザラシの速度が上がっている。


「馬鹿な……」


 だが、その頃。


 アザラシも……少しだけ首を傾げていた。


「……」


 ズリズリズリズリズリ。


「……ちょっと疲れて……きた……」


 アザラシが……自分の体調を気にしはじめた。


「……」


 前を見る。


 まだ先は長い。


「……」


 アザラシは少しだけ考える。


 そしてまた。


 ズリズリズリズリズリズリ。


 その背中を見ながら。


 辰(龍)は呟いた。


「まだ……速くなるのか」


 レースはまだ終わらない。


 そして……アザラシはまだ。


 諦めてはいない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。