↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生
第1章【砂に黄金、泥に蓮】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
81/89

第81話-蓮、虎穴を脱せず

━━━━━━━━━━━━━


【ティグリス】


種族:虎人族


ランク:Ⅱ


Lv:20


HP:960


SP:150


攻撃:125


防御:106


命中:90


抵抗:90


STR:125


VIT:96


AGI:130


INT:30


DEX:90


LUK:45


CHA:44


スキル:【虎咆】

    【虎視眈々】


装備:【虎人族の服】

   【虎人族の靴】


━━━━━━━━━━━━━


(……あれっ? これ、凄くないか?)


ティグリスを仲間にするかどうかの選択画面が表示された後、蓮の目の前には、仲間にする予定のティグリスのステータスが表示されていた。


ランクⅡのLv20。


それだけでも十分に驚きだったが、蓮が何より驚いたのは、そのステータスの高さだった。


ティグリスは、これまでモンスターとの戦闘経験がないと言っていた。


そのため、蓮はてっきり、仲間にしたところで足手まといになるのではないかと考えていたのである。


ところが、実際に表示された数値は、そんな予想を大きく裏切るものだった。


(……STR125にAGI130って……。俺よりずっと高いじゃないか!)


少なくとも、身体能力だけを見れば、今の蓮を大きく上回っている。


しかも、スキルまで二つ所持していた。


(……戦闘経験がないって言ってたけど、これなら十分戦力になるんじゃないか?)


先ほどまでの不安が嘘のように消えていく。


もちろん、ステータスが高いからといって、必ずしも戦闘が得意とは限らない。


それでも、これだけの能力があれば、少なくとも何もできないということはないだろう。


「どうだ? 俺を連れてってほしい」


ティグリスが期待を込めた目で蓮を見つめてくる。


「あー、うん。ティグリス君だね。よろしく」


蓮は思わず笑顔で答えていた。


(……いやぁ、これは思わぬ掘り出し物だったな)


そう考えながら、目の前に表示されている【YES】を選択しようとした、そのときだった。


「あの~……それで、大変申し訳ないのですが……」


(……ん?)


蓮は寸前のところで指を止めた。


声のした方へ視線を移すと、そこには何やら申し訳なさそうな表情を浮かべたカールが立っていた。


「はい。どうしました……?」


「はい。実はと言えばよいのでしょうか……やはりと言えばよいのでしょうか……。私としても、どう申し上げたものかと言葉に迷ってしまうところなのですが……」


(……何だ?)


カールは言いにくそうに言葉を選びながら、蓮の顔をうかがっている。


「ティグリスがこの度、REN999様のお世話になるということで、それは大変喜ばしいことなのですが……ただ……そうは申しましても、この子たちの負担が今すぐに軽くなるというわけではございませんので……」


そう言いながら、カールは周囲にいる子供たちへと視線を移した。


(……あー……)


そこで蓮は、ようやく思い出した。


(……そういえば、この人、最初から寄付がどうのこうのって言ってたんだったな……)


ティグリスの話ですっかり忘れていたが、そもそもカールは孤児院への寄付を求めて蓮に声をかけてきたのである。


(……まさか、まだ諦めてなかったのか……)


蓮は思わず苦笑いを浮かべた。


「それで……寄付というのは、具体的にどのくらいとかあるんですか?」


「はい。この子たちの当面の食事なども考えますと……そうですねぇ……」


カールは少し考えるような仕草を見せた。


そして、相変わらず申し訳なさそうな表情のまま、口を開いた。


「30万Gくらいは必要かなと思うのですが……」


「30万G!?」


蓮は思わず大声を上げてしまった。


(……いやいやいや! 30万Gって!)


それは、今の蓮の所持金とほとんど変わらない金額だった。


(……この人、申し訳なさそうにしてれば何を言ってもいいと思ってないか?)


蓮は思わずカールの顔を見つめた。


しかし、当のカールは相変わらず申し訳なさそうな表情を浮かべている。


(……いや、そんな顔されても困るんだけど……)


そもそも、今回蓮が【白の神殿】を訪れたのには、明確な目的があった。


神殿への累計寄付額を10万Gに到達させ、【ホワイトピジョンの心】を購入する資格を得ることである。


もちろん、10万Gを寄付したからといって、【ホワイトピジョンの心】が無料で手に入るわけではない。


購入資格を得た後には、さらに購入費用が必要になる。


しかも、その金額がいくらになるのか、現時点では分かっていない。


(……ただでさえ金が足りないっていうのに……)


蓮は改めて自分の所持金を思い浮かべた。


今ここでカールの要求どおりに30万Gを寄付してしまえば、所持金はほとんどなくなってしまう。


そうなれば、本来の目的である【ホワイトピジョンの心】の入手は、ますます遠のくことになるだろう。


(……いや、ちょっと待てよ……)


蓮は目の前のカールと、仲間入りを待っているティグリスを交互に見た。


(……せっかく思わぬ戦力が手に入りそうだったのに、今度は30万Gって……)


どうやら、そう簡単に話はまとまりそうになかった。


そして、蓮がどうしたものかと迷っていると、ティグリスを仲間にするかどうかの選択画面に、新たなメッセージが表示された。


【本イベントへの挑戦は一度限りです。慎重にお考えください】


(……まったく、このゲームってやつは……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。