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アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生
第1章【砂に黄金、泥に蓮】

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第51話-蓮、また一難

ポロンに連絡を取ってみると、ほどなくしてチャットへの招待が届いた。


すぐさま蓮はチャットモードへと切り替え、これまでの経緯をポロンに報告する。


召喚士に無事なれたこと。


【召喚士サロン】というものが存在していたこと。


そして、その中に【心屋】という店があり、【モンスターの心】を安く購入できること。


「――って感じなんですけど」


「なるほどねぇ~」


一通り話し終えた蓮だったが、ポロンの反応は意外にもごく普通のものだった。


というのも、サロンの存在自体は珍しいものではないらしい。


「私の方も調薬師だった頃には【調薬師サロン】が使えたし、合成師になった今は【合成師サロン】が使えるからねぇ~。召喚士にも似たようなものがあるとは思ってたよ」


「そうだったんですか」


「まあ、そこで何ができるかまでは職業次第だとは思ってたけどねぇ~」


どうやら【召喚士サロン】の存在そのものは、ポロンにとって驚くような話ではなかったらしい。


だが――。


「それで、心屋なんですけど……【フリーウルフの心】が1,000Gで売ってたんですよ」


「……なんですてぇ~~」


ここで初めて、ポロンの声色が変わった。


「前にポロンさん、オークションなら二万Gくらいって言ってましたよね?」


「言ったねぇ~」


「だから、その……」


蓮は少し言い淀む。


「ここで買って、それを売れば儲かるんじゃないかって思ったんですけど……」


「確かにねぇ~。っていうか、オークションに出してる人って、そんな感じなんじゃないかなぁ~」


「ポロンさんも欲しがってたし。でも、1,000Gで買ったものを黙って何万Gとかで売るのも、なんか騙してるみたいで嫌だったんで……先に話しておこうかなって」


少しの間、ポロンから返事はなかった。


やがて――。


「RENさんってさぁ~」


「はい?」


「なんか、変なところで律儀だよねぇ~」


「変なところって……」


「でも、ちょうどいいよ。私もモンスターの心はいくらか在庫を確保しておきたいと思ってたところだからねぇ~」


「在庫?」


「うん。RENさんの手持ちのGに余裕があるなら、心屋で売ってるランクⅠとランクⅡの心を、一種類ずつ買ってきてもらえませんか? もちろん、お駄賃はポロンお姉さんがポーンと出すから♪」


「一種類ずつなら大丈夫だと思います」


「なら頼むねぇ~。代金の話は戻ってきてからでいい?」


「分かりました」


こうしてポロンから頼まれた蓮は、再び心屋の商品を確認する。


蓮は当初、ポロンに心屋の話をするかどうか迷っていた。


しれっと後で話を持っていけば、小遣い銭くらいは稼げるのではないかとも思っていた。


だが、それではどうにも寝覚めが悪い。


今回、ポロンに【モンスターの心】のことを正直に話したことで、なんとなくだが肩の荷が軽くなった気がしていた。


そして購入した【モンスターの心】は――。


━━━━━━━━━━━━━

ランクⅠ


【フリーウルフの心】

【ゴブリンの心】

【スライムの心】

【石こぞうの心】


1つ 1,000G

━━━━━━━━━━━━━


そして――。


━━━━━━━━━━━━━

ランクⅡ


【ベビードラゴンの心】

【悪魔キッズの心】

【スケルトンの心】


1つ 10,000G

━━━━━━━━━━━━━


「ランクが一つ上がるだけで十倍か……」


ランクⅠを四種類で4,000G。


ランクⅡを三種類で30,000G。


合計34,000G。


決して安いとは言えない金額だが、ポロンから聞いていた【モンスターの心】の相場を考えれば、むしろ異常なほど安い。


(それにしても……ベビードラゴンまで売ってるのか)


気になるものはいくつもあった。


だが今は、ポロンに頼まれたものを持ち帰るのが先だ。


七種類の【モンスターの心】を購入した蓮は、そのままクランへと戻ることにした。


――そして。


クランへ戻った直後、蓮はまったく予想していなかった人物を目撃する。


「……え?」


そこにいたのは――。


「オリバさん?」


【召喚士】オリバだった。


一度は軽くなった蓮の肩に、先ほど以上の重さがのしかかった瞬間である。


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