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アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生
第1章【砂に黄金、泥に蓮】

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第49話-蓮、沼る

「ニール、ちょっと質問なんだけど……」


『はい、REN999様。なんでしょうか?』


ニールの説明によって、召喚モンスターの育成には非常に多くの経験値が必要になることを実感した蓮。


その直後、あることに気づいた。


「俺の召喚登録って、確か20枠あるんだよね?」


『REN999様はただいまランクⅡの【召喚士】ですので、はい。その通りです』


蓮は改めて今の状況を確認する。


「でも現状、召喚モンスターって二体しかいないんだけど……この枠を増やすにはどうすればいいの?」


現在、蓮が使用できる召喚登録枠は20枠。


だが、今の段階で登録している召喚モンスターは、ランクⅠのロアとゴブ太の二体のみ。


ニールの説明では装備品も召喚対象として登録できるらしいが、ランクⅠのモンスターが装備できるのはランクⅠ以下の装備品一つだけだ。


仮にロアとゴブ太、それぞれに装備品を一つずつ登録したとしても、使用するのは四枠。


それでも残り十六枠が余ることになる。


この枠をどうやって埋めればいいのか。


そう考えた蓮が疑問を抱くのは自然なことだった。


『召喚モンスターを増やす方法ですね。それには、いくつかの方法がございます』


「うん、複数あるんだね」


これまで蓮が【モンスターの心】を取得できたのはイベントのみ。


だが、以前ポロンからオークションについて聞いたこともあり、蓮にも多少の心当たりはあった。


『まず一つは、イベントで取得する方法です』


「あー、それはフリーウルフとゴブリンのやつで経験してるから分かるよ」


やはりか、という気持ちとともに蓮は理解を示す。


『では、次に説明させていただくのがPLAYER間での取引でございます』


「前に他の人が、フリーウルフの心なら何万Gかでオークションに出てるって言ってたけど、そういうこと?」


ポロンと初めて出会った頃のことを思い出す。


あの時、フリーウルフの心ならオークションで二万Gほど。


直接取引なら五万G出してもいいと、ポロンに言われたことがあった。


『はい。【モンスターの心】をオークションで落札することも可能でございますが、召喚モンスターそのものをオークションへ出品、または落札することも可能でございます』


「直接? えっ……そんなこともできるの?」


これまで一度もオークションを利用したことがない蓮。


いまいち理解できているか不安になる。


『はい。召喚モンスターを出品した場合、取引が終了するまで、その召喚モンスターを召喚することはできません。また、出品中はいかなる理由があっても職業変更を行うことはできません。職業変更を希望される場合は、先に出品をキャンセルしていただく必要がございます』


「なるほど……」


『落札者は取引完了後、召喚モンスターの情報を確認し、サロンにて通常通り登録を行うことで、自身の召喚モンスターとして使用することができます』


「へぇ~……」


どうやらこのゲームのオークションには、蓮が考えていた以上に様々な利用方法があるらしい。


職業への理解を深めるためにも、一度じっくりとオークションを見ておく必要がありそうだ。


『また、PLAYER間での取引では、オークションを通さず直接トレードを行うことも可能でございます』


「へー……。他にはないの?」


ここまでのニールの説明は、多少の違いこそあったものの、おおよそ蓮の予想の範囲内だった。


驚きはあったが、この方法だけでは簡単に召喚モンスターを増やせそうにはない。


そんな蓮に、ニールはもう一つの方法を告げる。


『あとは、【心屋】の存在がございます』


「心屋?」


初めて聞く言葉に、蓮が聞き返す。


『はい。一番右端のカウンターがそうでございます』


蓮はニールに言われ、右端のカウンターへと目をやる。


次から次へと出てくる、知らなかった仕組み。


ニールの何気ない説明を聞きながら、蓮の中でこれまで感じていたある予感が、少しずつ確信へと変わり始めていた。


このゲームは、自分が思っていたよりもずっと奥が深い。


本人はまだ自覚していなかったが、その未知を一つずつ知っていくことに、蓮は知的好奇心を満たされ始めていた。

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