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アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生
第1章【砂に黄金、泥に蓮】

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第47話-玉磨かざれば器を成さず

「俺がランクⅡの間は、ロアをLv20まで上げればいいんだよね?」


『確かに、REN999様がランクⅡの間はロアをLv20まで育成することが可能です。ただし、最大まで育成する場合、ロアはランクⅡのLv20まで育成可能となっておりますので、ご注意ください』


「えっ……ランクⅡのLv20? ロアってランクⅠの召喚モンスターですよね?」


先ほどステータスを確認した際、ロアのランクがⅠであることは確かに確認している。


だが、ニールの返答はそれとは少し違うようだった。


『では、続いて召喚モンスターの【進化】についてご説明させていただきます』


「進化?」


聞き慣れない言葉を、そのまま繰り返す蓮。


『はい。モンスターの強さは、スキルやステータスなど様々な要因によって決まります。これはPLAYERも同様ですが、その中でもランクによる影響は非常に大きなものとなっております』


「ランクⅠよりランクⅡの方が強いってことね」


『その通りでございます』


蓮は自分がランクⅠのLv10からランクⅡのLv1へ上がった際、ステータスが下がることなく、むしろ上昇していたことを確認している。


そのため、ニールの説明は自分自身に置き換えれば理解しやすかった。


「ということは、ロアもランクⅠからランクⅡへ上げることができて、それを【進化】っていうことですか?」


『はい。ただし、召喚モンスターの【進化】には、いくつかの条件がございます』


(はい、きたーーーー……)


これまで散々、予想もしなかった条件を突きつけられてきた蓮。


召喚モンスターを強くできると言われたところで、今では素直に喜ぶより先に、


(どうせ何かあるんだろ……)


という気持ちの方が強くなっていた。


『まず一つ。進化させる召喚モンスターが装備品を装備している場合、事前に【分解】を行い、全ての装備品を外しておく必要がございます』


「はい」


予想通り条件はあったものの、先ほど説明を受けたばかりの内容なので、これについては特に驚かない。


『次に、召喚モンスターを進化させるためには、Lv10以上の同ランクの召喚モンスターが2体必要となります』


「ランクⅡの召喚モンスターを作るなら、Lv10以上のランクⅠ召喚モンスターが2体必要ってことだよね?」


『その通りでございます。進化を行う際には、その2体のうち片方を軸となる召喚モンスターに指定していただきます』


「軸?」


『はい。軸に指定した召喚モンスターは、一つ上のランクへと進化いたします。具体的には、軸となったモンスターを母体とした同系統の召喚モンスターへ変化する形となります』


「じゃあ、もう一体は?」


『軸とならなかった召喚モンスターは進化の際に使用され、召喚対象の登録から強制的に削除されます』


「……なるほど」


つまり、一体のランクⅡ召喚モンスターを作るためには、最低でもランクⅠ召喚モンスターを二体育てる必要があるということになる。


そこで蓮は、自分がまだ【ゴブリンの心】を持っていることを思い出した。


「ちょっと質問なんだけど……」


『はい。REN999様、どのようなご質問でしょうか』


「俺、ゴブリンの心も持ってるんだけど、これって使えば召喚モンスターとして登録できるようになるの?」


『はい。可能でございます。ただし、【ゴブリンの心】から登録されるゴブリンは、ランクⅠのLv1となります』


(なるほど……ということは、ロアとゴブリンを使って進化させれば、ロアをランクⅡにできるってことか……)


少しずつ進化の仕組みが見えてきた。


「へー……なるほどね。でも、ゴブリンの心を使った後にLv10まで育てなくても、そのまま進化に使えたりするの?」


『いいえ。REN999様はすでに【召喚士】ですので、ゴブリンを召喚対象として登録するための事前育成は必要ございません。ただし、【進化】に使用する場合は、登録後に最低でもLv10まで育成する必要がございます』


(ん? 最低でも?)


ニールの言い方に引っかかる。


蓮がランクⅠからランクⅡへ上がった際、ステータスが下がることはなかった。


そして今の説明では、召喚モンスターも進化によってランクを上げられる。


ならば――進化前にどこまで育てたかによって、何か違いがあるのだろうか。


「じゃあさ、Lv10の召喚モンスター2体で進化させるのと、Lv20の召喚モンスター2体で進化させるのとで、何か違いってあるの?」


『はい。進化によって誕生する召喚モンスターの基礎ステータスは、進化に使用した2体の基礎ステータスの平均値が基本となります』


「……平均値?」


『はい。それに進化によるランクアップ分の成長が加算され、進化後の基礎ステータスが決定いたします』


その説明を聞いた瞬間、蓮にも意味が分かった。


Lv10まで育てたモンスターと、Lv20まで育てたモンスター。


そのステータスが違うのであれば、当然、進化後に引き継がれる平均値にも差が出る。


つまり――。


(なるべく強いモンスターを作りたいなら、進化できるLv10ですぐ進化させるんじゃなくて……できるだけレベルを上げてから進化させた方がいいってことか……)


最低条件はLv10。


だが、最低条件を満たすことと、より強い召喚モンスターを作ることは全く別の話だった。


そしてこれが【召喚士】という職業にとって最大の強みであり、同時に最大の苦難でもあることを蓮が知るのは、もう少し後のことになる。


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